auから発売されたサムスンの「Galaxy Z Flip」は、6.7型の折りたたみ式Androidスマートフォンです。最近は「フォルダブル」と呼ばれる、折りたたんでコンパクトに持ち歩ける大画面スマホが各社から登場しつつありますが、その中でも本製品は、横方向ではなく縦方向に折りたたむことが大きな特徴です。
縦方向に二つ折りにする構造といえば、かつてのガラケーを思い起こす人も多いはず。果たしてガラケーではなくスマホで、このように折りたたむ必要性はあるのでしょうか。販売元のauから借用した機材でじっくりチェックしていきます。
イマドキの大画面なのにポケットの中にすっぽり
今回の「Galaxy Z Flip」、初めて製品を知った時の筆者の疑問は、そもそも折りたたむ必要はないのでは? というものでした。というのもこの製品、同じサムスンのフォルダブルスマホ「Galaxy Fold」のように、小型タブレット並の大画面というわけではなく、一般的な大型スマホ並のサイズでしかありません。
なにより、本体を半分に折りたたむということは、持ち歩く時、厚みが2倍になることを意味します。最近のスマホは大型化の影響で、ただでさえ厚みがあることもしばしば。そんな中、二つ折りにすることで敢えて厚みを増やすこの構造は、かえって不便なように思えたというわけです。
しかし実際に使ってみて「あ、これならありかも」と認識を改めました。本製品は折りたたんだ状態では確かに厚みが一般的なスマホの2倍になるのですが、本体が長すぎるが故にポケットに入れにくい「iPhone 11 Pro Max」や「Pixel 4 XL」など同等サイズのスマホと異なり、ジーンズのポケットの中にすっぽり収まります。
これらの関係は二つ折り財布と長財布によく似ていて、ポケットから飛び出さないように収納して持ち歩きたい人には、二つ折り財布に相当する今回の製品はうってつけです。筆者個人としては、厚みを気にするよりも、折りたたんで全長が短くなることのほうが、メリットとして大きいように感じました。