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 先日、日本で自宅待機を無視して飲食店に出向いた陽性者が発覚し、大変な問題になりました。

「俺は陽性だ」蒲郡「コロナばらまき男」のフィリピンパブ”犯行現場”動画
https://bunshun.jp/articles/-/36514

 新型肺炎の陽性者が、「自宅待機」要請を無視して外出してしまうケースが他の国でも頻出しているようです。

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 ロシアのサンクトペテルブルクでは6日から病院に隔離されていたはずの女性(33)が、直後に逃げ出していたことが判明しています。
https://www.jiji.com/jc/article?k=2020022000889&g=int

 韓国でも入院中の病院をこっそり抜け出し、大邱市内で食事会や宗教団体の集会に出席するなど、数カ所を歩き回っていたという報道もあります。
https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/59456

 一方、シンガポールでは「自宅待機」を徹底させる仕組みが確立しています。 

永住権を失い、シンガポールへの再入国が禁止されたケースも

 シンガポールでは、政府が自宅待機命令を出した者に対して、訪問と電話による定期的なランダムチェックを継続し、感染が拡大しないような取り組みがなされています。

©iStock.com

 違反すると、感染症法で最大で罰金1万シンガポールドル(約76万円)か禁錮6ヶ月の罰則が科される、永住権および長期滞在パス所有者はパスを取り消されるなどの可能性もある、といった非常に重い罰が科されます。実際に自宅待機に従わずにシンガポールの永住権を失い、シンガポールへの再入国が禁止されたケースもあります。

Singapore Permanent Resident Breached Stay-Home Notice Requirements​
https://www.ica.gov.sg/news-and-publications/media-releases/media-release/singapore-permanent-resident-breached-stay-home-notice-requirements-loses-singapore-permanent-residence-status-and-will-be-barred-from-re-entering-singapore

 日本の現状だと、医師の注意だけでは「大丈夫だろう」と、買い物などにいってしまう可能性も十分に考えられ、感染拡大への取り組みとしては限界があると感じます。もちろん日本の人口を考えると自宅待機者全てを見張り続けるのは難しいでしょう。

 ですが、感染拡大を防ぐためにも、政府や公的機関による明確なガイドラインや罰則を作ることが重要でしょう。