自分を大事にすることは、周りも大事にすること
それまでの私は、「自分の身体を大事にする」ことを極端に軽視し、なんならちょっと小バカにしていました。
電車では必ず弱冷房車に乗り、冷え防止にストールを携行し、「氷を入れないでください」と飲み物を注文する。そんな周囲の女性を見るにつけ、「めんどくせーなー」と思っていました。
なんでそんなに身体を気遣うのか、ルナルナを使うのか(月経管理アプリです)、己の身体に敏感なのか、本気で理解できなかったし、「22時以降は身体のために仕事をしないようにしているんです」みたいなことを言われると、「はぁ?」と額に怒りマークを浮かべていました。
でも、今ならわかります。自分を大事にすることは、周りも大事にすることだったんですね。ごめんなさい。
「自分の身体に無関心でいると私のようにがんになっちゃうぞ」という脅しではないですが、疲れたとか痛いとか気持ちいいとかいう自分の内側に、もう少し興味を持っていいのではないでしょうか。Instagramで知らない人の日常は熱心に追いかけるくせに、自分の身体の変化には鈍感だった自分への戒めとして、今そんなことに気をつけています。
かつてのように身体に無関心ではいられない
がんがわかるまではなんの知識もなかったこの病気について多少なりとも詳しくなった今、真に病気に向き合っているような気がします。だからこそ、穏やかな日々ながら、少し体調を崩すだけで猛烈な恐怖に襲われることも事実。
実際、この1年の間に何度も救急でかかりつけの病院に駆け込み、「先生、急に熱が!」とか「先生、お腹が痛い!」と泣きつきました。ステージ3の私は最終段階の「4」までリーチの状態。かつてのように己の身体に無関心ではいられません。
そんなわけで、腫瘍は取ったけれど、がんから解放されたわけではない、執行猶予中のような不思議な気持ちでがんからの1年後を過ごしています。