昭和34年(1959年)創刊の総合週刊誌「週刊文春」の紹介サイトです。最新号やバックナンバーから、いくつか記事を掲載していきます。各号の目次や定期購読のご案内も掲載しています。

2020/03/16

 このマクドナルドや駅から徒歩5分程度のイオンモールからもわかっていただけると思うが、すべてのものがひと通り揃っている。一方で、たとえば同じ中央線でも高円寺とか阿佐ヶ谷とかそういう都心近くの駅にあるような雑多な感じはまったくない。かといって、立川や八王子のような“ターミナル感”にも欠けている。地方都市の代表駅のような雰囲気とも違う……いわば、“郊外らしさ”が凝縮されているような駅前なのだ。

ロータリーに面して“平屋の”マクドナルドがある
駅から歩ける範囲にイオンモールも発見。住みやすそうだ

日野自動車、コニカミノルタ、ファナック……工場町の顔も

 ちなみに、この高台側には名だたる大企業の工場がいくつも建っている。豊田駅に最も近いのは富士電機の工場で、他には日野自動車、コニカミノルタ、ファナックなどなど。1930年代、不況対策として日野市が誘致活動をした結果、こうした工場がいくつも生まれて工業地帯となったのだそうだ。つまり豊田駅はそうした人たちの通勤のための駅という顔も持っている。駅前の雰囲気はそうした事情もおおいに反映されているのである。そういえば、日野自動車はトヨタグループの一角。だから「中央線はトヨタにも行く」というのはあながち間違いとも言えないのかもしれませんね。

 気を取り直して低地側の南に向かおう。北口から南口に出るためには、線路に沿った細い急坂を降って少し歩いて踏切を渡るか、もう一度橋上駅舎の自由通路を抜けるかしか方法ないようだ(ちょっと遠回りして跨線橋という手段もあるが……)。そこで自由通路を歩いたのだが、こうした構造のおかげか自転車を押して通路を歩く人の姿も多かった。だいたいが大学生や高校生だろうが、中には買い物途中と思しき主婦の姿も。ルール上どうなのかはわからないが、橋上駅舎の自由通路を自転車を押して歩く、なんてことができるのも都心からほどよく離れた郊外だからなのだろう。