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2020/03/15

「浜田さんのCDがあんなに売れて、松本さんはどう思いますか?」

 この曲ではまた、浜田とは別録りながら、相方の松本人志の声も使われている。間奏で《B・U・S・A・I・K・U/H・A・M・A・D・A》と繰り返したかと思うと、曲の終わりには、《浜田と初めて会うたんはねー、小学校の時……何やったかな、あいつ……えらいパーマで……パーマ頭でラッパズボンで登場して、「何やこいつは」と思って。「こんなやつ、絶対友達になるかい」、そない思てたんやけど……まあ、どうしてか……》と浜田との馴れ初めが語られ、ダウンタウンファンにはグッとくるものがある。

©共同通信社

 浜田はこれ以前から単独でドラマにも出演するようになっていたが、「WOW WAR TONIGHT」リリースの前後には、松本もまた単独でお笑いライブを開催し始めたほか、週刊誌での連載コラムを単行本化した『遺書』『松本』が大ベストセラーとなった。このころ、二人はそれぞれ「松本さんの本(浜田さんのCD)があんなに売れて、浜田(松本)さんはどう思いますか」とよく訊かれたという。浜田はそのたびに《ええことやないですか!?》と答えた。それというのも、《松本の出した本が、あそこまで売れたんは、ほかでもない、あいつの才能によるものやろし、そのことで、それなりの金もろてんのやから》と思っていたからだ。松本もまた、同じようなことを答えていたらしい(※5)。

 浜田は「WOW WAR TONIGHT」で、この年の大晦日のNHK紅白歌合戦にも出場した。その本番、ステージで浜田と小室のまわりをエキストラのクラバーやほかの出場歌手が踊るなか、途中で松本がサプライズで“乱入”する。松本は、同時期に坂本龍一のプロデュースにより浜田と謎のユニットというふれこみで結成したGEISHA GIRLSの格好(日本髪のかつらに白塗り)で浜田に近づくと、持参したバッグから自分と同じかつらを取り出し、浜田にかぶせた。会場が湧くなか、曲の終盤に入ると、浜田はかつらをかぶったまま小室と一緒に客席へ駆け出し熱唱する。歌い終わったあと、ステージに戻る途中で彼が叫んだのは、この年何度も口にした「どうも、すんませんでした!」という一言であった。

※1 浜田雅功『読め!』(光文社文庫、1997年)
※2 「小室哲哉が語る、『H Jungle with t の頃』」(『クイック・ジャパン』Vol.104、太田出版、2012年)
※3 伊藤愛子『ダウンタウンの理由。』(集英社、1997年)
※4 小室哲哉『カリスマの言葉シリーズ #011 時代をつかみとる思考』(セブン&アイ出版、2016年)
※5 濱田雅功『がんさく』(幻冬舎よしもと文庫、2009年)

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