文春オンライン

こんな時だから噛みしめたい ファイターズからの嬉しい知らせ

文春野球コラム2020 開幕延期を考える

2020/03/28
note

選手や監督が動画で教えてくれる「ファイターズとおやくそく」

 そんなことを考えていたら、チームから次の風が吹いてきました。「ファイターズとおやくそく」。休校になってしまった子供たちに、うがい手洗いの方法や体を動かすこと、好き嫌いをしないことなどを選手が動画で教えてくれるのです。これには大きなお友達も喜び、再生回数のカウントがぐんぐんあがりました。私も堀瑞輝投手の「やさいもしっかりたべよう」は何回見たかわかりません。ふんわり包まれるようなやさしい風でした。

 次の風は、お勉強です。栗山英樹先生による授業動画「寺子屋ファイターズ」が配信されました。対象は子供たち、テーマはなんと「論語」と「易経」。撮影は札幌ドームの監督室。子供たちにわかりやすいように、紙に自ら書いた言葉をホワイトボードに貼ったり剥がしたりしながら話していきます。

 この授業が出来る野球監督は日本で栗山監督だけじゃないでしょうか。監督は読書家であることで知られています。特に古典の書物の中に日々のヒントを求めるエピソードも何度か伺っていたので、この2つが授業に選ばれたのには納得しました。「寺子屋ファイターズ」は、またまた大きなお友達も喜ばせました。あんなに嫌いだったのに、大人になるとしたくなるものな~んだ? はい、勉強です、それも春にむくむくと何か始めたくなる。ちょっと鼻をくすぐる、上を向きたくなる風でした。

ADVERTISEMENT

 そして、春です、光です、結婚ラッシュです! こちらに関しては嵐でした、びゅ~びゅ~吹いてきました。なんと、3月に5人です、1日に2人発表が2回です。加藤貴之投手、有原航平投手、石川直也投手、石井一成選手、横尾俊建選手の入籍がチームから立て続けに発表となりました。こればっかりはタイミングを計ることは出来ないかなと思いますが、先が見えず凹みかけたところに届く幸せの知らせはこんなにも安らぎをくれるのかと思いました。髪が乱れるほどの強い風が次々と吹きましたが、去ったあとはなんとも心地いいのです。

 いま、この原稿を書いている間にもコロナウイルスの感染者の数がニュースで伝えられています。2020年の春。間違いなく人類の歴史に残る大きな渦の中にいま自分はいるのでしょう。大きな歴史の中にいる小さなファイターズファンである自分史にはチームから吹いた風を一緒に刻みこんでいます。あとでこの風も一緒に思い出してふっと笑える時がくる。さ、今日も身を守り、来るべき日の準備をしよう。

◆ ◆ ◆

※「文春野球コラム2020  開幕延期を考える」実施中。コラムがおもしろいと思ったらオリジナルサイト http://bunshun.jp/articles/36800 でHITボタンを押してください。

HIT!

この記事を応援したい方は上のボールをクリック。詳細はこちらから。

こんな時だから噛みしめたい ファイターズからの嬉しい知らせ

X(旧Twitter)をフォローして最新記事をいち早く読もう

文春野球をフォロー
文春野球学校開講!