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売上は10分の1、政府は助けてくれない……デリヘル店長が語る歌舞伎町の惨状

2020/04/04
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女の子たちも「不安だから」と出勤してくる

──ということは、本指名が取れない子たちもまだ出勤していると。利用客が激減しているにもかかわらず、出勤する女の子の数を減らしていないんですか? 

飯島さん 減らしていません。現在もだいたい10人の女の子が毎日出勤しています。なぜかというと、キャバクラと違い、デリヘルには「仮に稼げなくても1日いくらのお給料を保証します」という日給保証がないからです。出勤した人数に応じて出ていく人件費が発生しないので、出勤したいという子には来てもらっています。 

──女の子たちも「家にずっと閉じこもっていると不安だから」と出勤してくる? 

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飯島さん そうだと思います。以前なら都内の風俗嬢は定期的に地方へ出稼ぎに行っていたのですが、地方も稼げなくなっているうえ、移動すると感染のリスクが高まるので、怖いから動きたくない。実家に帰ったという女の子の話もほとんど聞きません。かといって、仕事を休んでずっと家にいると、不安感から精神を病んでしまいます。 

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 もともと風俗嬢には稼いだお金をホストに全部使ってしまうような子が多く、貯金もありません。だから、病んで引きこもってしまう子以外はどんな状況でも出勤してきます。 

休業補償の対象から風俗店・風俗嬢を除外した政府 

──そうなると稼げない女の子の生活が心配ですが、政府は今回、夜の繁華街には行くなと名指しをする一方で、休業補償の対象から風俗店や風俗嬢を除外しています。 

飯島さん 風俗店は中小企業向けの無利子・無担保の資金繰り支援も受けられないんですよ。貸し付けを取り扱う日本政策金融公庫の資料を見ると、下に「風俗業を除く」と書かれています。風俗店や風俗嬢には、最初から何も支援をするつもりがないんです。 

──明らかな差別です。政府はなぜ風俗店や風俗嬢を除外するのでしょうか。 

飯島さん 反社会的勢力とのかかわりとか、公金を投じるのにふさわしくないグレーな業種だということのようです。たしかに風俗店には税金も払っていない店もありますが、真面目にやっている店もあるんです。うちの場合、決算書も作成してきちんと税金を納めています。納税している以上は、政府にも産業として認めてほしい気持ちがあります。 

 ただ、店としては払っているけれど、女の子たちには税金を払っていない子が多い。そこもグレーな業種と見られる要因のひとつかもしれません。