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「イソジンうがい」を徹底するも「カラオケは禁止」

「2月くらいから売り上げが落ちだして、3月からずっとヤバイ。先月末に常連さんの貸し切りバースデーがあって20人くらい集まったんだけど、そのうちの参加者2人、40代と30代が発熱してて、30代の方は3日連続で高熱が出たらしいが、重篤じゃないからって検査ができず自宅療養している。

 予防策としてはイソジンでうがいをお客さんにもみんなにやってもらってる。酔っ払ってまともに話せない人は入れないようにしてる。カラオケも禁止。ダーツのみ換気しながら営業している。常連客が2、3人来てくれるけど、(営業を)いつまでやろうか……。この土日はとりあえず休みます」(六本木カラオケバーオーナー・30代男性)

西麻布にはIT社長や業界人の姿もない ©文藝春秋

志村けんの訃報以降は芸能人が出歩かなくなった

 芸能人やアイドル御用達の、西麻布のカラオケバーやラウンジにも人気はない。遊び人で有名な常連のタレントたちも来店を控えているという。

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「先週の志村けんさんが亡くなった報道以降、ピタリと止まりました。事務所やスタッフから言われているそうです。『パパラッチに撮られたら芸能活動できなくなるぞ』って。有名な子は来ないですよ。店は控えて仲間同士で『宅飲み』したり、看板もなく秘密で営業している”社交場”みたいなところで遊んでいる。今でもうちに来るのはアイドル崩れの子や、無名の若い子。イベントとかの仕事もなくて稼げないからパパみたいな大人と来ている」(西麻布カラオケバー店主・30代男性)

 取材中も西麻布交差点では、パパ活らしき男女カップルを何組か見かけた。

「店が閉まってキャバクラやラウンジで働けなくなった子が、“裏引き(店を通さないで客と会うこと)”してパパ活してますね。パパがいないホステスやお金に困った子からは『ギャラ飲みやりたい』って相談されます。相場は1時間1万円ですが、男性のお客さんから『こんな時期にギャラ飲みやって見ず知らずの女にコロナをうつされたくないから』って断られます。ウチは社長さんとか地位のある人が多いから」(ギャラ飲み仲介人・30代)

人通りが少ない西麻布 ©文藝春秋

 深夜23時、華やかに着飾った3人の女性が西麻布交差点を歩いていた。これからクラブに繰り出すという。職業を聞くと「絶対ヤバイから言えない」という。

「『今の時期に?』って言われるけど、これが最後です。もう毎日コロナコロナで嫌になって、六本木もほとんどクラブが閉まっているんですけど、数カ所だけやっている。1カ所でもやっていれば、そういうところに好きな人は行っちゃうんですよ」(職業不明・20代女性)