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 警察庁が4月に公表したデータのうち、注視すべきなのが大麻の蔓延状況だ。2019年の大麻事件の摘発者数は前年比743人増の4321人と過去最多を記録した。その約6割が、未成年か20代の若年層だ。

 大麻は、覚醒剤など薬物乱用につながる「ゲートウェイドラッグ」とされている。暴力団はその売買にかかわるだけでない。近年増加している「栽培」容疑で摘発された164人のうち、4人に1人は暴力団関係者だったという。

新型コロナがヤクザ業界に与えた影響

 暴力団業界が活路を見出す覚醒剤に対して、警察はより一層、摘発に力を入れている。一方、暴力団業界は振り込め詐欺などの「特殊詐欺」のテクニックに磨きを掛け、IT技術を駆使した「インターネットカジノ」など新たなシノギにも手を出している。

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 シノギは、いつの時代も表社会の経済状況に左右される。

 今春、新型コロナウイルスの感染拡大が深刻化していることから、祭りやイベントで飲食を提供する屋台で商売をしているいわゆる“テキヤ”を稼業としている暴力団は収入が途絶えている。

新型コロナウイルスの感染拡大で屋台も苦しい状況に(写真はイメージ) ©iStock.com

 関東でテキヤをしているある暴力団幹部は、「花見シーズンはあがったり。これからはゴールデンウイークの書き入れ時だが、どうなるか。さらにコロナ騒動が続いて夏祭りなどでも商売が出来なければ死活問題になる」と不安気な表情を見せる。

 暴力団にとっては正念場だ。だが、さらに暴力団を追い詰めることが出来るのかどうか、このあと数年は警察にとっても正念場である。(敬称略)

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