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「志村さんは私にも敬語なんです」

「お仕事をご一緒するようになって、仲良くもしていただきましたが、キャラクターのイメージとは真逆の方でした。志村さんって飲まないときにいたっては、『ゆまさん、これはどうですか』『お食事は何にされますか』って、ずっと年齢もキャリアも下の私に対しても敬語でお話しになるんです。本当に温厚な、どちらかというと物静かでシャイな紳士でした。

 それだけに、お酒の力で緊張をほぐして、相手がどんな人なのか知ろうとされていたのかもしれません。といっても、本当に常にお仕事のことを考えていらっしゃったので、お酒を飲んで饒舌になっても、話すことは仕事のこと。『あの場面はもっとこっちに視線を向けた方がいい、こういう間の取り方をした方がいい』と、稽古場では言われなかった細かなところまでアドバイスをしてくださいました」

 志村と出会って「本物のエンターテイナーってこういう方の事を言うんだなと思った」と語る麻美。笑いへの妥協のない姿勢に驚いたという。

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麻美ゆま 

卵巣・子宮を全摘出した麻美に志村は……

「志村さんは、技術さんとも入念な打ち合わせを重ねられ、おならの効果音やタイミングひとつにもこだわって突き詰めていく。『バカ殿様』の収録も細部まで作り込まれていて、職人のような人でした。『全員集合』のときからずっと“生の笑い”を追い求めてこられた方なので、舞台に対する思いにもとても熱いものがありました。

 それに、あれだけ大御所になられても、常に新しいコンテンツや話題にも目を向けられてました。去年の舞台のときにもTikTokなども「最近コレおもしろいんだよね~」と言われてました。笑いは常にツボが変わっていくと思っていらっしゃったようです。 Apple Watchで睡眠時間を管理されていたりと、年齢を重ねても感性がみずみずしい方でした」

 麻美自身、2013年に「境界悪性卵巣腫瘍」が発覚。卵巣がんの疑いがあり、両卵巣・子宮を全摘出するなど、体調に不安を抱えた時期がある。それを知った志村は優しかった。