「緊急事態 7都府県…首相『1か月程度』 きょうにも宣言」(読売新聞)
緊急事態宣言、なぜ「今」だったのか。本日の新聞各紙を読んでみた。
「経済政策がまとまったから、宣言を出すということだ」
これまで首相が宣言に慎重だったのは国内経済に与える影響を懸念したためと各紙書いていた。しかし感染経路が不明の患者が増加したことに加え、専門家や首長らの不満が広がって発令せざるを得なくなった(毎日新聞)。その見出しは「外堀埋まった政権」であった。
与党内からも「出すのが遅い」(自民若手議員・朝日)と対応の遅れが出ていることもあってか、
「経済政策がまとまったから、宣言を出すということだ」(自民党関係者)
「ただ宣言すればいいのではなく、ちゃんとした経済対策を練り上げる時間が必要だった」(首相周辺)
という“解説”も毎日新聞には載っていた。私はてっきり宣言に慎重なのは私権制限の論議が起きているからなのかと思ったが、各紙を読むと経済中心だった。
小池都知事の「ロックダウン」強調に官邸は「迷惑だ」
見逃せないのは、小池百合子都知事の「影響」である。
首相は 「日本では緊急事態宣言を出しても、海外のような都市の封鎖を行うことはしないし、そのようなことをする必要もない」(6日)と述べた。
その背景には、都知事が3月23日の会見でロックダウンを強調したことが「首相らを困惑させた」という(朝日)。「緊急事態宣言」と「ロックダウン」を同一視する見方が広がり、スーパーなどで買い占めが起きたからだ。
《こうした事態に、官邸からは「迷惑だ」(首相周辺)との声が上がり、政府関係者は「『ロックダウン』のイメージを払拭しなければ、パニックが起きる。経済へのダメージも計り知れない」と懸念を口にした。》(朝日)
小池都知事はなぜ急に騒ぎ出した?
迷惑と言われた都知事のあの発言。それにしても小池都知事は急に騒ぎ出した気がする。その印象は私だけではないようで3月27日の毎日社説は、
・そもそも、都の対応はこれまで出遅れていた。
・他の都市部のようにトップが強いメッセージを発する場面は乏しかった。姿勢が変わったのは、東京五輪延期の流れが強まった時期とも重なる。
・3連休には、都内の花見の名所に多くの客が訪れていた。本来であれば、もっと早く注意喚起すべきだった。
と指摘している。東京で感染者が増えているのは3連休の結果が出ていることを考えれば同感だ。
つまり、小池都知事は自らの出遅れを取り戻すために強い言葉を発しているように見える。「おい、小池」とはこのことである。