“布マスク2枚配布”に安倍推しの「夕刊フジ」が激おこ
こうして緊急事態宣言は出されることになったが、新聞読み比べ的にはすでに先週の時点で「緊急事態」だった。例の布マスク2枚配布の件。
4月2日発行の「夕刊フジ」は一面で「マスク2枚ふざけるな!!」と激おこ。「日刊ゲンダイ」と間違えた人が多数!
※タブロイド紙は安倍推しの夕刊フジ、安倍批判の日刊ゲンダイという売りがある。
ツイッターの「日刊ゲンダイ ニュース記者」のアカウントは「まるでウチみたい…きょうの夕刊フジさんの一面が日刊ゲンダイ化していて、ビックリしました。」とつぶやいた。
まるでウチみたい…きょうの夕刊フジさんの一面が日刊ゲンダイ化していて、ビックリしました。
— 日刊ゲンダイ ニュース記者 (@gendai_news) April 2, 2020
ますます、本紙の真価が問われます。#アベノマスク pic.twitter.com/oSMspFpdlp
するとその2時間半後に「こちら夕刊フジ編集局」のアカウントが「日刊ゲンダイさん、ありがとうございます! お互いコロナに負けず、頑張りましょう。お手柔らかに。」と返した。
日刊ゲンダイさん、ありがとうございます! お互いコロナに負けず、頑張りましょう。お手柔らかに。 https://t.co/DQhdpeoBRX
— こちら夕刊フジ編集局 (@yukanfuji_hodo) April 2, 2020
なんだこの緊急事態は。200億円かけて布マスク2枚配布という「対策」の衝撃の大きさがわかる。
「全国民に布マスクを配れば、不安はパッと消えますから」
一般紙でも緊急事態だった。産経新聞の一面コラム「産経抄」(4月3日)は、
《政府の発表には耳を疑った。(略)優先すべき政策は山のようにある。首相の決断を押しとどめるブレーンはいなかったのか。》
と驚き、呆れた。あの産経師匠が!
産経の「ブレーンはいなかったのか」は大きなポイントだった。というのも、
《「全国民に布マスクを配れば、不安はパッと消えますから」。首相にそう発案したのは、経済官庁出身の官邸官僚だった。》
という内幕記事が出てきたからだ(朝日新聞4月3日)。
ブレーンが止めるどころか「不安はパッと消えますから」。今年の流行語大賞候補である。
読売新聞は3週間ほど前にこんな「答え」をすでに書いていた。
「『知恵袋』は腹心2人、首相がトップダウンの決断繰り返す…菅長官との間にすきま風」(読売新聞オンライン3月15日)
この記事には《首相が今、政治決断を下す際に知恵袋として頼りとするのが、今井尚哉首相補佐官と北村滋国家安全保障局長だ。》とあり、
・一斉休校の科学的根拠を専門家には諮問せず、検討は今井氏に委ねた。
・3月5日に首相が表明した中国・韓国からの入国制限強化は今井氏に加え、北村氏が調整を切り盛りした。
・今井、北村両氏が下支えする「首相主導」の政治決断には根回し不足も目立ち、省庁とのあつれきが生じている。
と具体的に書いていた。