文春オンライン

オーバーシュートを防げるか? 小池百合子都知事が明かした「緊急事態宣言」の問題点

「都の立場からすれば、苛立ちを覚えることもあります」

 新型コロナウイルスの感染拡大を受けて、安倍晋三首相が4月7日、東京都など7都府県を対象に発令した「緊急事態宣言」。住民や事業者に外出の自粛や施設の使用制限などを求める事態となったが、そこにリスクはないのか。

 東京都の小池百合子知事が「文藝春秋」5月号のインタビューに応じ、「緊急事態宣言」の問題点を語った。

©文藝春秋

パリやニューヨークとの大きな違い

「都の立場からすれば、『パリやニューヨークのような強い措置に踏み切れないものか』と時に苛立ちを覚えることもあります」

ADVERTISEMENT

 小池氏が言う「強い措置」とは、パリやニューヨークなど海外の都市が踏み切った「ロックダウン(都市封鎖)」だ。住民の外出は禁止され、違反すれば罰則を伴うケースも多い。小池氏もたびたび記者会見でロックダウンに言及したことが物議を醸したが、日本の場合はどうか。

「(緊急事態宣言で)都道府県知事にできるのは、住民への外出自粛要請などに留まります。海外のような強力な『私権制限』は選択肢に入っていませんし、公共交通機関を停止させられるわけでもありません」