7月の都議選で歴史的惨敗を喫した自民党。森友学園、加計学園をめぐる一連の疑惑や閣僚の失言などが重なり、安倍政権の支持率も急降下した。
8月3日の内閣改造後、支持率は若干上昇したが、いまだ多くの世論調査で不支持率が上回ったままだ。改造後には早くも江崎鉄磨沖縄・北方相の「役所の原稿を朗読する」という失言が飛び出すなど、政権の先行きは不透明だ。
文藝春秋編集部では、7月初旬から中旬にかけて、衆参の自民党全国会議員408名(衆議院議員286名、参議院議員122名)を対象に緊急のアンケート調査を行った。質問内容は「都議選の結果は国政にも影響すると思うか」「現在の自民党に問題があると思うか」「2018年9月に総裁任期が満了を迎える安倍晋三総裁の3選を支持するか」など全5項目。さらに複数の議員に追加で対面や電話での取材を行った。
アンケートと追加取材からは、都議選敗北に対する総括と反省の欠如、自由な議論が許されないような党内の空気、「身びいき」による政権運営、「安倍一強」の驕りなどへの批判の声が多く聞こえてきた。
たとえば、元幹事長の石破茂氏は次のように指摘した。
「こういう対応を政府がしたら国民からどう見えるか、国民がどう考えるかという点を今一度大事にすることでしょう。加計問題や森友問題の説明にしても、あるいはテロ等準備罪の説明にしても、国民が『私たちの懸念や疑問を理解し、丁寧に説明してくれている』という共感を感じなくなってしまっている。例えば、国会で答弁に出てきても、この政府の人間は本当に国民の為に説明をしているのか、本当に国民の為に仕事をしているのか、という不信感があると思います」
また、衆議院議員の後藤田正純氏はこう語った。
「自民党は自由で民主的な党であって、言論は自由のはず。昔は党内でいろんな意見が飛び交っていて調整できていた。このまま安倍さんと一緒に自民党は倒れるんですか? そうじゃないですよね? と言いたい」
アンケートの結果・分析と、自民党議員への追加取材の詳細は、「文藝春秋」9月号(8月10日発売)に13ページにわたって掲載されている。