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 銀座は他の繁華街に比べ、休業を早くに決める店が多かった。

 クラブでは複数の有名店で「感染者が出た」との噂が回って客足が遠のき、ホステスの出勤調整が早々にはじまり、バーやスナックよりも休業が1週間早かった。そしてバーやスナックも4月6日以降は軒並み休業し、緊急事態宣言の発令よりも早かった。

少しでも現金を稼ぐためアルバイト探しに

 前述の男性店主のバーは家賃の振り込みが前月末だが、3月末が期限の4月分は払っていないという。

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「現金を手元に置いておきたいし、保証金を入れているので払えなくなっても相殺される。家賃負担が大きいため、何軒かの店子と一緒に家主に家賃値下げを求めるつもりです」

 休業後は家にいても気が滅入るばかり、少しでも現金を稼ぐためにアルバイトを探した。

「日曜日(12日)にピザ宅配のアルバイトの面接を受けました。ガソリンスタンドのアルバイトの面接も受ける予定です」(同)

©iStock.com

重くのしかかる家賃負担

 前述のスナックの女性店主は家賃が月30万円。無収入になっても1カ月30万円の負担が重くのしかかる。

「普段は同業のお店の家賃なんて聞きませんが、今回は何人かに相談し、家賃などについても話しました。同じ広さでも場所によって家賃が50万円のところもある。東京都が出す休業協力金の50万円はありがたいですが、1カ月分の家賃と生活費でなくなる。家賃50万円のお店は家賃を払えばなくなってしまいます」(同)

 閉店して退去する際は家主に6カ月前に通知する契約で、今通知しても6カ月分の家賃支払いがある。その上、内装を原状回復する経費がかかり、すぐに閉めることも難しいという。

「安倍首相に“家賃を何とかしてくれ!”と言いたいです」(同)

 女性店主は同業の知人に勧められ、3月初旬に日本政策金融公庫に緊急融資を申し込んだ。

「担当者から電話がかかってきたので、書類を追加で送り、300万円の無利子融資が決まりました。早い時期に申し込んだので早く決まったようです。今は長蛇の列で、時間がかかると聞きました。再開すれば月5万円の返済を5年間続けることになります」(同)