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1998年、ロッテ屈辱の「18連敗」 当時をよく知る捕手の回想

文春野球コラム2020 90年代のプロ野球を語ろう

2020/04/16
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思い出深い翌99年の“七夕の歓喜”

 悪夢となった98年の七夕。そしてもう一つ、思い出深いのが翌年の七夕だ。99年7月7日、東京ドームでの日本ハム戦。清水は8番捕手としてスタメン出場し2点リードの2回に貴重な2点適時打を放つ。試合は小宮山悟投手、河本育之投手、ブライアン・ウォーレン投手のリレーで5-4で勝利。マリーンズは首位に立った。

「今夜だけこの喜びに浸って、明日からまたやっていこう!」

 チームを率いた山本功児監督が試合後に選手たちに送った檄が忘れられない。月日は流れた。2020年。新型コロナウィルス感染予防の観点からいまだチーム練習も出来ない日々が続いている。ただ、そんなシーズンだからこそファンのために勝ちたいと想う。

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「99年は一瞬の首位だったけど、ファンの人がものすごく喜んでくれたのをよく覚えている。スタンドの様子を見て、1位って、やっぱりいいものだなあと思った。シーズンを1位で駆け抜けられるように選手たちには必死にやらせたい。マリーンズファンに喜んでもらいたい」

 98年に味わった屈辱。そして99年にひと時の事ではあったが歓喜した首位。そのどちらも最初に思い出すのはスタンドのファンの姿だ。魂の応援。勝って共に喜んだファンの存在。困難の時を迎えた今。いつ始まるか分からないシーズンにあってマリーンズを支えるのはファンの存在。苦難を乗り越えて今年こそシーズンを1位で突破して優勝をファンにプレゼントしたい。我慢の先に栄光が待っていると清水将海コーチは信じている。

梶原紀章(千葉ロッテマリーンズ広報)

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