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春らしい柔らかな印象のアイボリースーツ

 雅子さまはジャケットの襟が立体的なアイボリーのスーツをお召しになり、春らしい柔らかな印象で清潔感のある装いだった。胸元には控えめなパールのネックレスを、耳元には大振りながらシンプルなイヤリングをお召しだった。髪はやや低い位置でアップにまとめられ、マスクを着用されていても、目元が引き立つようなスタイルだった。

 ご進講は赤坂御所の檜の間で行われ、尾身氏と距離を2メートル以上空けて行われた。両陛下のお手元には資料が置かれ、雅子さまは落ち着いたブラウンのペンケースを持参されたようだった。

4月10日、マスクを着用され、ご進講を受けられる天皇皇后両陛下 宮内庁提供

 天皇陛下は、尾身氏や医療関係者らにねぎらいの言葉を繰り返され、感染拡大については「人類にとって大きな試練」、「私たち皆がなお一層心を一つにして力を合わせながら、現在の難しい状況を乗り越えていくことを心から願っています」と述べられたという。

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 ご進講は当初40分の予定を大幅に延長して1時間30分にわたり、両陛下はウイルスの特徴などについてメモを取られながら、「オーバーシュート回避には何が必要なんですか」など、どうすれば「医療崩壊」を防げるかについても積極的に質問されたようだ。

専門家会議副座長の尾身茂氏(右)からご進講を受けられる天皇皇后両陛下 宮内庁提供

 4月15日、両陛下は厚生労働省の鈴木康裕医務技監からもご進講を受けられ、ワクチンと治療薬の研究・開発や、海外とどのように連携していくかについても説明を受けられたという。

 振り返れば、両陛下は愛子さまの女子高等科ご卒業に際して公表された文書でも「我が国の国民、そして世界の多くの人々が直面している様々な困難や苦労に深く思いを致しています」と述べられていた。

 このような状況のなかで両陛下がどんなことに関心を持たれ、行動を起こされているのか、発信できる方法は文書やご進講以外にも、多くあるのではないかと思う。

「饗宴の儀」を前に、両陛下があいさつを受けられる場面でも、大使館ツイッターなどを通じて各国の王室との交流の様子が垣間見られ、反響を呼んでいたことを思い出す。

「駐日デンマーク大使館」のツイート

 海外でのご経験を大切に思われている両陛下は、このような時節だからこそ、各国の王室と私的な交流を続けられることだろう。「国際的な取組」の一つとして、世界の連帯を示すことができるのではないだろうか。