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雅子皇后、笑顔と涙の1年間――取材してわかった「雅子さまらしさ」とは

2020/04/12

 皇后即位後、1周年を迎えられる雅子さま。

 懸命にご公務をこなされる中で、笑顔と涙を見せられた。そのご様子から窺える天皇陛下、そして国民への想いとは――。長年密着取材を続け、「即位1周年記念 皇后雅子さま物語 ビジュアル版」を上梓した筆者が、この1年の足跡を辿る。

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5月1日、笑顔で皇居にご到着

即位関連の行事にすべて出席された雅子さま

 春の暖かな昼下がり、皇后雅子さまが今年初めて桜をご覧になったのは、赤坂御所の庭の石畳に散った桜の花びらだった。

 風で舞い散った薄紅色の花びらを拾って、掌にのせた雅子さまは、御所内にいた天皇陛下と愛子内親王殿下を驚かすようにお見せになったという。ご一家に笑顔があふれた。花びらを透明な水盆に浮かべて、束の間の春の訪れを感じられたそうだ。

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 それからほどなく、新型コロナウイルスの感染が広がる中、両陛下の外出を伴う公務はすべてお取り止めに。即位後初の外国訪問となる英国・ウィンザー城への滞在も延期が発表された。

 陛下は皇居でご執務に臨まれている。1週間に1度のジョギングも中止されて、ご研究をなさる時間が増えたという。雅子さまも御用地の散策をなさることはなくなり、たまに外に出るのは、愛犬・由莉の散歩をする際ぐらいといわれた。

 陛下が即位されて令和が幕を開け、5月1日で1年を迎える。雅子さまは皇后として即位関連の行事にすべてご出席なさってきた。

 ご療養生活が始まった皇太子妃時代や皇后になったばかりの頃は「長期にわたる即位関連の儀式に継続的にお出ましになることは、果たしてできるのだろうか」と宮内庁関係者ですら思っていたというが、それは杞憂に過ぎなかった。

 皇后としての務めを懸命に果たされようとしてきた雅子さまの、この1年の歩みを振り返りたい――。

メラニア夫人と子どもの教育について語り合う

 最初に雅子さまに驚かされたのは、新皇后となって間もない昨年5月。令和初の国賓として、米国のトランプ大統領夫妻を招いた時の「もてなし方」だった。

5月27日、トランプ米大統領夫妻を招いての宮中晩餐会 

 皇居・宮殿「竹の間」での会見で、オフホワイトのスーツ姿の雅子さまは、流暢な英語でメラニア夫人と会話をされた。後席の通訳が黙っている姿は珍しい。陛下とトランプ大統領が会話をしている横で、母親同士ということもあり、子どもの教育について語り合ったという。最初は硬かったメラニア夫人の表情も、次第に緩んでいった。

 幼少期を米国のニューヨーク、高校、大学をボストン郊外で過ごされた雅子さまは、高校時代からホストとしてのもてなし方を両親から学ばれたといわれる。皇室入りされてからも、相手に敬意を持ちつつ、自然な雰囲気を出すことには定評があった。メラニア夫人ともユーモアを交えながらもてなされて、帰国前にはメラニア夫人の方から打ち解けて多く話し掛けていたのが印象的だった。