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雅子皇后、笑顔と涙の1年間――取材してわかった「雅子さまらしさ」とは

2020/04/12
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雅子さまの陛下への思い

 新皇后として陛下を側でお助けしたいという雅子さまのお気持ちは、実に強いものがある。12月9日の56歳の誕生日の文書の中でもこう綴られている。

〈天皇陛下のお務めの重さを常に心にとどめ、陛下をお傍でお助けできますように健康の一層の快復に努めながら、皇后としての務めを果たし、陛下とご一緒に、国民の幸せに力を尽くしていくことができますよう努力してまいりたいと思っております〉

 雅子さまの陛下への思いに、周囲が驚かされることはこれまでにもあった。07年に当時の皇太子が十二指腸ポリープの切除手術を受けられた時のこと。療養に入って4年に満たない雅子さまの症状は、長く起き上がっていられないほど思わしくなかったが、入院されている皇太子のお見舞いに毎日通われた。

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11月22日、伊勢神宮外宮の参拝を終えられた雅子さま

「当時の雅子妃殿下は、公務ができないばかりか皇太子殿下に助けていただいていることが申し訳ないというお気持ちが強かったので、今度は何があっても殿下を励まし、お力になりたいという思いでいらっしゃいました」(当時の東宮関係者)

 そうした陛下への思いと、皇后としての重責を果たしたいというお気持ちが、ご自身の快復へと繋がっていったのではないかと思う。

 皇太子妃時代からも公務の日程に合わせて、ご体調を工夫して調整するなど努力をされてきたことに変わりはなかったが、ご快復傾向が継続すると、さらに意欲も増したのではないかといわれた。

 ご療養生活は17年目を迎えたが、言い換えると雅子さまは17年も病と闘っている。それは、健康な人には想像もできないが、精神疾患からくる不安なお気持ちを持たないためにも、常にご病気であることを意識なさって、体力的・精神的にバランスよく日常生活を送らなければならないということだ。