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僕らの“野球ロス”と80年前の函館の野球少年について

文春野球コラム2020 オープン戦

2020/04/20

【えのきどいちろうからの紹介文】

 文春ファイターズの新人、ビーバー池田さんを紹介させてください。彼は札幌市中央区で古書店「ビーバーズブックス」を営むヒゲ男です。今年1月、青空百景ヘッド(文春ファイターズの金子誠?)を引き連れ、南17条西8丁目の店(札幌静修高校近く)を訪ね、一本釣りして来ました。ぜひデビュー戦をお楽しみください。

古書店ビーバーズブックス店頭に立つ筆者 ©ビーバー池田

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野球への思いに溢れた至福の時間のはずが……

 昨今、人気ドラマが終了したあとなどに楽しみにしていたそれが無くなってしまって寂しい様を「○○ロス」と表すことが増えましたが、始まる前とは言え、今の状況はさしずめ「野球ロス」でしょうか? ともかく野球がないのが物足りないことは間違いないでしょう。

 無観客のオープン戦を終え、本当ならすでにシーズンの開幕を済ませているはずだったこの時期、現在もいまだ開幕のタイミングが見えないまま。僕らファンとしても開幕へのウキウキ気分が肩透かしとなったまま宙ぶらりんの状態です。

 昨季Bクラスだったチームのファンはことさら早く新しいシーズンを迎えたいと思っていたことでしょう。CSに出られずに長かったオフをリセットして「今年こそは」と思う気持ちが最も高まる時であります。もしかするとAクラスだったチームよりもっと開幕を待ち焦がれる気持ちは強いのかも。何より5位に沈んだファイターズファンの自分がそんな気持ちですからね!

 2月のキャンプイン、3月のオープン戦、そして開幕という流れは、本来だと野球ファンにとって「ああ、野球のある日常が戻ってきたんだ」という幸せに少しずつ浸っていく至福の時間でもありますよね。たとえ開幕3連敗しようが「まだ140試合ある」とポジティブになれるような、本来だとそんな野球への思いに溢れた至福の時間のはずなんですけれど……ご存知のように今年は例外です。

 それでなくても、ただでさえセンバツが中止になってしまって野球に飢えているんです。球児たちには野球をさせてあげたかったし、それを見たかったなぁ。そういう意味で、ここまで野球に飢えることってなかなか無い気もしますね。野球ロスで悲しい、野球が見たいなぁ……。ふと頭に浮かんだのが函館のS少年のことです。そう言われてもほとんどの方は何のことやらでしょう。少しお付き合い下さい。