ゲームをやってると「フツーに夜中になっちゃいます」
実際、休校中の子どもたちはネットやスマホで日々をやり過ごしている様子だ。公立中学3年生の隼人君(仮名・14歳)は、「勉強なんかやる気がしない」と苦笑した。
両親は共働きで日中はひとり。休校中に学校から出された課題もほとんどなく、塾のオンライン授業は教材用の動画を見るだけで30分ともたない。
時間を持て余す中でハマったのが、複数人の中から犯人捜しをする推理ゲームと、最後に生き残ったプレイヤーが勝者となるバトルロワイヤルゲーム。いずれも「ボイスチャット」機能があり、プレイヤー同士が「声」で会話や議論をしながら進行する。
「ボイチャ(ボイスチャットの略)で仲間としゃべったり、日替わりのイベント(アイテムやポイントが配布される催し)に参加してる。YouTubeでゲームの実況動画を見るとか、ネットで攻略法を調べるとかやってると、フツーに夜中になっちゃいます」
起床は昼過ぎ。母親が買い置いた冷凍食品を温めて食事を取るが、「動くのが面倒くさい」とスナック菓子で済ませることも少なくない。「自分も人のこと言えないけど」と前置きして、最近のゲーム状況をこう話す。
「休校になってから、小学生とかが集まってきて荒らすんですよ。ガキのくせに『ぶっ殺す』、『失せろ』なんて騒ぐし、装備品とか見てると廃課金(はいかきん=廃人レベルの高額の課金)してる感じ。小学生がこんなにゲームやってたらヤバイんじゃないかって思うけど、こっちも負けたくなくて闘志が湧きます」
ドライアイ、耳鳴り、吐き気……それでもスマホを手放せない
公立高校1年生の香織さん(仮名・15歳)は、3月の突然の休校で中学校の卒業式が中止。進学した高校も休校措置が取られている。
「外には行けないし、誰とも会えない。(進学した)高校だって、勉強や部活がどうなるのか先が見えない怖さがある。いろいろ考えると窒息しそうになっちゃいます」
香織さんには休校以外のストレスもあるという。テレワーク中の父親がリビングを占拠し、母親はパート休職中。小学生の弟が2人いて、一家5人が3LDKの自宅に「密」状態だ。
「親は朝からガミガミ言うし、弟たちも超うるさい。結局自分のベッドで、スマホを使うしか逃げ場がないんです。YouTubeで音楽系やお笑い系のライブをいっぱいやってたり、恋愛モノのリアリティ番組は先が気になってついイッキ見しちゃいます」
長時間の視聴でドライアイになり、連続のイヤホン装着のせいか耳鳴りがする。吐き気や頭痛に見舞われることも増えた。それでもスマホを手放せない理由がもうひとつ、中学時代の友達とのグループLINEだ。