4月16日、7都府県対象だった緊急事態宣言が、日本全国規模で改めて発令された。
一方、新型コロナウイルス感染による死者が世界で2番目に多いイタリアでは、緊急事態宣言よりはるかに強制力の強いロックダウン(隣の町へも移動禁止、必要不可欠な生産活動以外はすべて禁止)が、3月9日から実施されている。
そのイタリアから日本に向け、インターネット動画で現地の状況を伝え続けている男がいる。
ロンバルディア州ミラノ県出身の46歳、マウリツィオ・カンパナ氏がその人だ。
カンパナ氏があげた5つの「必需品リスト」
イタリアにおけるコロナ禍の最新データを、彼に尋ねてみた。
「4月20日の時点で、イタリア全体のコロナ禍による死者は24,114人。そのうち私が今いるロンバルディア州での死者は12,376人と、半数以上を占めます。ロンバルディア州の人口は約1,000万人とイタリアの総人口の6分の1が集まっている上、盆地で大気の循環が悪いことも一因ではないかと言われてますね」
全土ロックダウンという“先行国”で日々を送るカンパナ氏によると、未曾有の状況下に置かれた今の日本で、食料やマスク以外に備えておきたい必需品リストは次のようなものではないかという。
1.使い捨て手袋
2.ハンドクリーム
3.既往症用の市販薬
4.小林製薬の濃い杜仲茶(嗜好品)
5.フィットネス用具
なぜこれらが必要なのか、個々に説明してもらおう。
「まずは、ポリエチレンやポリ塩化ビニール製の使い捨て手袋(日本では、惣菜店の販売スタッフなどが着用している半透明のアレ)の購入をお勧めします。感染者が触れたものから自分に伝染するのを防ぐためです。イタリアでは今、スーパーなどで手袋をしていないと白い目で見られる雰囲気。先日などは、雑貨店に素手で入ろうとした客が店員さんに『手袋なしだと入店拒否ですよ。もし持っていないのなら、ここで買って。商品には、手袋をしてから触ってください』と注意されているのを見ました」
これまでマスク着用の習慣さえなかったイタリア人が春の陽気の中、手袋までする重装備で外出しているとは、にわかに信じがたいのだが……。