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なぜ「高額マスク」が街中で売られているのか? 転売ヤーが明かす「次は消毒液、コロナ検査キット」

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 国民生活安定緊急措置法の一部が改正され、3月15日よりマスクの転売が禁止された。具体的には、小売店舗やECサイトなど不特定の相手に販売する者から購入したマスクを、購入した金額よりも高い価格で、インターネットや店舗などを通し、不特定または多数の者へ転売することが禁止とされたのだ。

写真はイメージ ©iStock

街中で高額のマスクが売られているのは合法?

 これまでにマスク転売で一儲けしたという、転売を専門にする業者「転売ヤー」に話を聞いた。

「法律で規制されたことによってかなり転売は減ったと思います。僕自身、規制される前に全て売り切ってしまっていたのでよかった。規制後も在庫を抱えていた転売ヤーは、ペンなどを出品し、そのおまけとしてマスクを付けるなど、あの手この手で売り切ろうとしていますね。それでもフリマアプリの運営側にバレるとアカウントがBAN(使えなくなること)されてしまうので、複数のアカウントを持っている人たちがやっているイメージです」

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 転売が規制されてひと月以上経つが、いまだに必要とする人たちにマスクが行き渡るようにはなっていない。そんな中、法の抜け穴をうまくつき、マスクをネットではなく街中で、1枚100円以上の高額で販売しているケースが散見される。

「都内の商店街などにある週貸し店舗などで、マスクが売られているのを見かけます。価格も様々ですが、1枚100円くらいが相場になっていて、枚数を多く買うと値引きされ、75円ほどになる。

 これらの人たちは、自ら中国の工場など製造元から仕入れて販売しているのです。法律では個人などが小売店で購入したマスクを転売する行為は禁止していますが、製造元から仕入れをして販売する行為は規制されていない。また高めの価格設定も『仕入れ値が高かった』という言い訳ができるんです」(同前)

都内某所でもマスクが販売されていた。「1枚あたりなんとたったの74円」との貼り紙がされている ©文藝春秋

 今までマスクを販売していなかった店、たとえばアパレルやスポーツ用品の店などでもマスクを販売していたりする。そしてついに流行りのあの飲食店も……。