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コロナ後、「カッコいい」の概念は変わる

 国内のバスケ界は混乱の時代が長く続いたこともあり、チームには様々な苦労を味わってきた20代後半から30代の選手も数多くいます。だからこそ彼らは、現実の厳しさをよく理解し、自分の頭で考える力を培ってきている。新生ブロンコス初年度として、選手たち自身の手でチームをつくっていくことは、決して不可能ではないと思います。

 私がそうしたチームの未来を思い描くのは、それが「コロナ後」の世界における、新たな「カッコいい」になると思うからです。

 私の予感では、「コロナ前」と「コロナ後」で、「カッコいい」の概念は大きく変わります。プロスポーツの世界では、「お金をいっぱいかけた」「こんなに強い」という金満や権威主義は古くさいものになっていくと思います。

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 むしろ、独立した、自由で楽しげな気風にファンは魅力を感じるようになるのではないでしょうか。

 まさに今、その価値観の転換が起きています。

埼玉ブロンコス(公式サイトより)

 多くの人が自宅で過ごさざるを得なくなった状況下で、発信力を発揮しているのがプロスポーツ選手です。

「家の中でも、こんなふうに過ごしていると楽しい!」と、SNSなどを通して発信しています。ミュージシャンも然り。ホームコンサートのような形で、閉塞感の強まるなかでも人々を楽しませる術があることを示してくれています。

 社会状況に応じた生き方を率先して提示できるというスポーツ選手の強みが、あらためて浮き彫りになっているように感じます。

 自由に個人の意志で、体制や強いものにすり寄ることなく、楽しさを表現できる選手ほど人気を集め、「カッコいい」と評価される。だからブロンコスも、そうした新しい「カッコいい」を体現するチームにしていきたいのです。

プロ野球開幕のために何が必要か

 スポーツ界の現状を見渡すと、やはり「プロ野球の開幕がいつになるのか」は、多くの人が注目している大きなトピックです。

 ただ、私の目には、球界の意思が曖昧に見えてしまいます。是が非でも開幕させるのか、それとも心のどこかで無理だと思っているのか、どうもハッキリしない印象を受けます。

 関係者は「もちろん開幕させたいと思っている」と言うでしょう。「でも、そんな簡単な問題ではないんだ」「プロ野球は様々なことが絡んでいるんだ」と。