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2020/05/06

その2)“ケミ炸裂”なキャスティング

 ケミとは、その名の通り「化学反応」「良い相乗効果がある」という意味ですが、韓国ではドラマ・映画の共演者などに対しても“ケミがある・ない”とよく使います。今回のドラマは主演の2人はもちろん、ク・スンジュン×ソ・ダン、北朝鮮のF4ならぬユニークな4 人組(途中から5人組)、北朝鮮の奥様たち、それぞれの家族など脇役たちも物語を盛り上げてくれました。実在するかのように人間性も丁寧に描かれ、魅力あるキャラクターたちにどんどん引き込まれていくのです。豪華なカメオ出演は、韓ドラファンを喜ばせました。

ソ・ダン(ソ・ジヘ) Netflixオリジナルシリーズ『愛の不時着』独占配信中

 そして私はすっかりスンジュンの虜。「韓国では、“ラーメン食べる?”と誰にでも言わない。俺とは大丈夫だが、今後他の男に言われたらきっぱり断るんだ。“いいえ、結構よ”と」と私も言われたいものです。セリとジョンヒョクの青い炎のような静かに燃える愛にも、絵から飛び出てきたような美しいふたりにも、うっとりしてしまいます。

ク・スンジュンを演じたキム・ジョンヒョン Netflixオリジナルシリーズ『愛の不時着』独占配信中

その3)自立した強さを持つ、新時代のヒロイン像

 財閥の令嬢であり、成功した美貌の社長として完全無欠にみえるセリが、実は不完全な人間であり「私も私をわからないのに」と世の女性たちと同じ等身大の悩みや葛藤を持つところに引き寄せられた人も多いのでは? 財閥家に生まれたことにあぐらをかかず、自分で選び、努力し、成功を収めた社会的に自立した女性というところも、世の働きウーマンから支持された理由なのではないでしょうか。

財閥令嬢でありながら、自ら創ったファッション企業の社長を務めるユン・セリが今作のヒロインだ Netflixオリジナルシリーズ『愛の不時着』独占配信中

 今年大ヒットしたドラマ「梨泰院クラス」のヒロインたちも、まさに自立した女性たち。白馬に乗った王子様から助けてもらうヒロインではなく、私の力であなたを助ける!くらいの勢いを感じます。男性よりもむしろ同性である女性から支持される、自我を持った魅力溢れる、新時代のヒロインたち。

「82年生まれ、キム・ジヨン」が起こした社会現象は有名ですが、数年前からフェミニズム運動が盛んな韓国。ドラマでも自立したヒロインが台頭してきていますが、K-POPでもBLACK PINKやITZYなど「ガールクラッシュ」と呼ばれる、可愛いだけではない同性が思わず憧れてしまうような、かっこいいグループ(タレント)が人気です。「私は私」と胸を張って訴える姿に胸を打たれ勇気をもらう女性も多いのでは。