読書の秋ならぬ、読書の春となっている。新型コロナウィルス感染症予防の観点からチーム活動が休止となり1カ月以上が過ぎた。千葉ロッテマリーンズではZOZOマリンスタジアムおよびロッテ浦和球場で一人の選手が自主練習を行えるのは2日に1回の2時間以内(交代で使用)。三密をさけるため同じ空間で体を動かせるのは2人まででウェートルームを使用できるのは1人のみとなっている。様々な制限がある中、選手たちは時間を無駄にするまいと、それぞれの時を過ごす。体幹、ウェート、チューブトレ。そして多くの選手が今、ハマっているのが読書だ。
「時間の使い方が変わりました」種市の忘れられない一冊
「1日3時間ぐらい本を読んでいます。ほぼ1日1冊ペース。もう15冊ぐらい読みました。栄養学、サプリメント、呼吸法、疲れない体を作る方法などなど。自分のためになる本をピックアップして読んでいます」
そう話すのはマリーンズ次代のエース・種市篤暉投手だ。不要不急の外出が出来ない日々ですっかり好きになった読書。中でも忘れられないのは「ムダとり時間術」(井上裕之著、ビジネス社)。「時間の使い方の大切さを知りましたし、こういう時だからこそ時間を大切に生きていきたいなあと思いました。時間の使い方が変わりました。めちゃくちゃ面白かったです」(種市)。
またもう一つ、深く心に残ったのは「7つの習慣 最優先事項」(スティーブン・R・コヴィー著、キングベアー出版)。「これは読み応えがありました。時間の使い方の部分は『ムダとり時間術』と共通するものがありますが、人生観にも通じるものがありました。ただ読み終わるまでにはとても時間が必要でした」と種市。同じ寮生で読書家として知られる一つ年下の安田尚憲内野手とは読み終わった本の交換や、感想を述べあったりしている。
安田にも最近、読んだ本を聞いてみた。「時間はいつもよりあるので空いている時間に積極的に読書をするようにしています。自己啓発本などが多いですかね。羽生善治さんの『決断力』(角川書店)、『超訳孫子の兵法 「最後に勝つ人」の絶対ルール』(田口佳史著、三笠書房)。スポーツ選手や野球の本も読みますが、今は他の分野の方や歴史上の人物の本を読んで人生(野球)のヒントを探しています」と言う。
ちなみに種市から薦められて読んだ本は「7つの習慣」と「スタンフォード式 疲れない体」(山田知生著、サンマーク出版)だ。「両方ともすごく面白かったです。新しい考え方やちょっとした工夫は読書を通じて知れることが多い。人生のヒントが本当に多いと思う」と熱く語る。