1ページ目から読む
2/4ページ目
影宮竜也さん

毒親は子供を“ひとりの人格を持った人間”だと理解できない

毒親についてまず浮かぶのが、“毒親”と“普通の親”とは何が違う?という疑問だろう。
どんな家庭でも親子間で意見が対立したり、けんかしたりすることはあるはずだが、その全てが毒親とは限らないはずだ。一般的な親子関係とは、いったい何が違うのだろうか。

影宮さんによると、毒親は子供を“ひとりの人格を持った人間”だと理解できず、子供の人生を無自覚に思い通りに支配しようとする傾向があるという。実際には、下記のようなパターンの行為を繰り返すのが、毒親と呼べるとのことだ。

1.肉体的暴力や性的暴力を振るう親(体罰やしつけと称した折檻をする)
2.精神的暴力を振るう親(暴言などで否定・不安を子供の心に植え付ける)
3.過干渉する親(子供の行動を監視して先回りする。自主性を奪う)
4.ネグレクトする親(子供を放置して関心を持たない)
5.価値観への同意・強制を求める親(自身の勝手な価値観を押し付ける)

子供は知らず知らずのうちに悪影響を受けているという(画像はイメージ)

そして、子供はこうした毒親のもとで育つと、自信が持てない、自分の考えが分からない、強い不安感、理由もなくイライラする、他人への不信感などの問題を抱えやすくなるという。

「親から否定され続けることで自信が持てなくなるほか、行動を先回りされるので『自分で判断すること』を学べずに大人になってしまいます。親の夫婦仲が悪かったり、親との交流があまりない、子供に無関心な親に育てられると結婚願望が薄い傾向にもあります」(影宮さん)

ADVERTISEMENT

コンプレックスを子供で解消しようとする傾向も

それでは、毒親が生まれてしまう背景には何があるのだろう。こちらはさまざまな要因が考えられるが、大きな要因としては“親自身が毒親に育てられた”ことが考えられるという。

影宮さんによると、幼少期の子供は親を否定することを知らないため、毒親に育てられるとその考えを無意識のうちに受け継いでしまう。そこに気付かなければ、自分の子供にも同じように接してしまい、気付いたとしても極端に真逆の接し方をしてしまうことがあるというのだ。
※例えば、ネグレクトの家庭で育つと自らもそうなるか、逆に過干渉となる可能性がある。