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なぜ人は「毒親」になってしまう? 背景には“親心と支配”の勘違いがあった

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真逆の接し方で毒親になってしまうこともあるという(画像はイメージ)

また、“親が強いコンプレックスを抱えている”可能性もあるという。親が自らの不幸の原因をコンプレックスによるものだと思い込んでいると、子供にその不満を投影して解消しようと、価値観を押し付けたり、本人の意思と関係なく強制したりするというのだ。

「例えば、高卒で苦労したと思い込んでいる毒親は子供に大学進学を強要したり、入学後に過剰な期待をかけてしまう。これも親自身の人生経験が原因で起こる価値観の押し付け行為です。毒親本人は子供に悪影響を与えていることに気付かないことが多いですね」(影宮さん)

いくつあてはまる?チェックリスト

今回は影宮さん監修で、毒親の家庭によくみられる傾向のチェックリストを作ってもらった。
8項目のうち、当てはまる数が3つ以内なら「許容範囲」、4〜5つは「問題あり」、6つ以上は「何らかの対処をとるべき」というので、あなたの家庭環境と比べてみてほしい。

【毒親の家庭によくみられる傾向のチェックリスト】
1.両親の夫婦仲が悪い
2.不平不満が多い
3.否定的な発言が多い
4.家族の意見に耳を貸さない
5.他人をあまり信用しない
6.都合が悪いことを周囲や家族のせいにする
7.家庭以外での外面がよい
8.親自身も親との関係性があまりよくない

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チェックリストで確認してみよう

子供は「嫌なことは嫌だ」と意思表示するべき

既に毒親に悩んでいる人のほか、チェックリストの結果によっては親が毒親かも知れないと感じた人たちもいるはずだ。その場合は、どのように対処すればいいのだろうか。

影宮さんに聞いたところ、既に毒親の被害を受けている場合、成人して経済的に自立できるのであれば、物理的に親元を離れることを考える。それができない環境であれば、毒親の支配を拒絶して、精神的に離れることを考えるべきだという。

「自立が難しい場合は、勇気を出して『嫌なことは嫌だ』と伝えましょう。それができたら悩んでいない、言っても分かってくれないという人もいるでしょう。それでもいいんです。意思表示をすることで適切な距離感を親との間で持てるようになります。あいまいな態度だからこそ、毒親も意見や価値観を押し付けやすいところがあります」(影宮さん)

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