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 アメリカの病院のシステムとして、患者が亡くなった場合、家族は病院と関係のあるソーシャルワーカーに連絡を取れば、死後の手続きについて諸々の助言を貰えるということでした。

担当者に何度連絡をとっても返信がない

 ところが叔父の友人から聞いた担当者のEメールのアドレスと電話番号に何度連絡をとっても、返信は一切ありません。もちろんニューヨークが大変な事態に陥っていることは知っていましたから、相当忙しいのだろうと思い、私の米国の友人にも頼んで電話をかけ続けてもらったんです。

 そしてようやくわかったことは、なんとそのソーシャルワーカーもCOVID-19に感染して隔離されていたということです。

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歩行者の姿がほとんどないニューヨークの街 ©iStock.com

 そこで新しい担当者を紹介してもらおうと、その上司にあたるスーパーバイザーに連絡を取ったんですが、同僚には今回の感染症で亡くなった人もいるそうで、とにかく医療現場は大混乱の状態。

 その時点で叔父の遺体はプラスチックバッグに入れられて、他の遺体とともに病院地下の冷蔵庫に積まれている状態でしたから、それを一刻も早く解消するには荼毘に付す手配をしなければなりませんでした。

ようやく葬儀社を見つけるも「火葬は3週間後」

 ニューヨークでは病院で患者が死亡すると、まず遺体を病院から葬儀場か火葬場に移送するための許可申請をしなくてはいけません。しかし、その書類の提出は近親者にしかできないことになっています。

 本当は叔父の友人にその辺を委任したかったのですが、パソコンや携帯電話などを所持しておらず、連絡手段は自宅の電話機のみ。まして都市封鎖されているニューヨークでは、役所に移動して書類の入手と提出をすることなどほぼ不可能です。

ニューヨークの地下鉄では消毒作業が行われている ©AFLO

 とにかく、まずは遺体を受け入れてもらうため、いくつかの葬儀社を検索してそのホームページからメールをしたんですが、まったく返事が来ない。電話をしても「担当者が不在」だと言ってまるで先に進まないわけです。そこでソーシャルワーカーから別の葬儀社のリストをメールで送ってもらい、しらみつぶしに電話をかけ、ようやく1社見つかったんですが、そこもいま大変混み合っていて、火葬は3週間後になるとのこと。

 そこまで長期間、病院で遺体を預かって貰えるものなのかソーシャルワーカーに聞いても、確たる返事がありません。もっと早くできないものかとさらに探すと、市内のあるチャペルに連絡が取れ、遺体も4日後に移送できるということでした。