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夜の街の一部では「コロナ・バブル」
ここまでの危機感は、一部の暴力団は夜の街からみかじめ料(用心棒代)を徴収しているなど特有の背景があるからだ。
「我々は世間のカタギのみなさんあってこそ。日本経済の衰退は自分たちにも直結する」と、前出の暴力団幹部は語る。だが、こんな状況の中でも、社会のルールを逸脱することで「コロナ・バブル」とも呼べる活況を呈している店もある。
前出の住吉会系幹部が指摘する。
「ごく一部のキャバクラでは、密かに“闇営業”していて大盛況となっている。どこの店も閉まっているなか、飲みたい客はやはりどうしても飲みたい。ある店ではコロナ騒動のさなかでも男性客で満席。密接、密集、密閉のまさに3密。営業自粛は店にとってみれば死活問題。開けざるを得ないのだろう。店に出ている女の子たちも命がけだ」
さらに、いわゆる「ギャラ飲み」も広がりをみせている。女性と飲食をともにしたい男性客の依頼で、キャバクラなどに勤める女性たちを時間短縮で営業している居酒屋などに派遣。短時間だが、飲食を楽しむという。
「例えば時給1万円のキャバクラの女の子を半額で派遣している。営業を自粛しているキャバクラとしても、生活がかかっている女の子にしてもなんとか収入を確保するということ。日本にはこうした営業に罰則がないのが弱いところ。アイデア次第で商売は色々とある」(同前)
賢いヤクザは、どんな苦境でも上手く立ち回るものなのか。闇営業の店舗からクラスターが発生しないことを祈るばかりだ。