1ページ目から読む
2/4ページ目

 コロナの影響は2月ごろから出始め、3月には説明会延期やWEB面接が始まっていた。その後、緊急事態宣言(4月7日)が出されたが、それでも多くの企業は選考を進めていたことがわかる。

 4月1日から5月1日までの1カ月で内定率は34.7%から50.2%まで急上昇したことになるが、緊急事態宣言が全国に広がるなかで意外に思われる方も多いだろう。それだけ企業側の採用意欲が強いということなのだろう。すでに就活を終えた学生は言う。

「一次から最終まで全てWEB面接で多少戸惑いましたが、幸いにも第一志望に内定しました。早期からインターンシップ(就労体験)に参加しておいてよかったです」(22歳男性)

ADVERTISEMENT

 このように順調に就活を終えた学生も中にはいる。

 経団連の就活ルール廃止にともない、昨年夏のインターンシップから水面下で選考を始める企業が増えていた。4月から5月にかけて内定率が急上昇した背景にはこのような早期化という要因も考えられる。

2021年卒業予定大学生の就職活動の日程。「就活解禁」は3月1日。「選考解禁」は6月1日とされているが、すでに内々定を得ている学生も多い ©共同通信社

コロナでも「予定通り採用する」会社が8割って本当?

 上記は主に過去の調査だが、未来についての調査でも意外な数字が出ている。

 マイナビによる「新型コロナウイルスに関する企業の新卒採用への影響調査」(4月21日)によると、今後の採用予定数(2021年卒)は「当初の予定通り」(つまり減らさない)と回答した企業が82.6%にのぼるのだ。

 ある大手企業A社の人事は言う。

「当社の通販関連の事業では需要が急増しており業績絶好調です。もちろん当初の予定通り採用します」

 確かに“巣ごもり消費”などでこのような企業が存在することはわかる。しかし「100年に1度の不況」の可能性までささやかれるなか、8割の企業がコロナの影響を受けていないということは考えづらい。この“8割”という数字はどう解釈すべきだろうか?