「売上急減につき人件費を抑制するため新卒採用を一時的に延期する。そう書かれたメールを大手メーカーからもらいました。せっかく途中まで選考が進みましたが、もうダメかもしれません」(21歳・男性)
「多数の人気企業に落ちました。外出できず周りの学生の状況がまったく見えないから、自分だけ取り残されているようで、ものすごく不安です。怖くて友達とも情報交換できません」(21歳・女性)
私、福島直樹は、就職コンサルタントとして長年学生の就職支援を続けてきた。上記のコメントのように、2021年卒・大学生の就活は新型コロナウイルス感染症の影響を大きく受けている。大学生協の調査では、83.8%の学生が、将来・進路に「とても不安を感じる」「不安を感じる」と回答しているほどだ(日経新聞5月9日)。
また厚生労働省によると、解雇や雇い止めにあった人(見込みを含む)は4月27日時点で3391人となり、3月30日時点の1021人から大きく増えている(日経新聞5月10日)。
コロナで事業計画の策定が困難となり、全日空では採用活動を一時中断すると報道され大きな話題となった。2008年のリーマンショック、さらには1929年の世界恐慌並みの大不況が始まったと考える人も少なくない。
意外? 5月1日時点で内定率は過去最高レベル「50%超」
一方で、就活について意外な調査データがある。
キャリタス就活(ディスコ)の「就職活動調査〈速報〉」では5月1日時点の内定率が過去最高水準(50.2%)となっている(注1)。つまり例年以上に内定を取る学生が増えており、既に半数以上が内定を得ているというのだ。ちなみに4月1日時点でも過去最高(34.7%)だった。