文春オンライン

コロナ禍で多発する「わいせつ事件」「給付金詐欺」卑劣な手口《ベテラン刑事が解説》

2020/05/14

genre : ニュース, 社会

note

「わいせつ事件が増加した」との声も

「給付金詐欺」の増加と並んで、警察署員を悩ませているのが、「わいせつ事件」の増加だという。神奈川県内のある警察署に勤務するベテラン刑事は、憤りを隠せない。

「いま管内では、毎日のように何かしらの女性被害の事件が起きている。発生している強制わいせつ事件や強制性交事件の一つ一つの背景が解明されたわけではないが、普段と傾向が異なっている。社会のためにがんばって仕事をして疲れて帰宅途中の女性を狙う犯行も多く、あまりに卑劣だ」

警察もコロナ対応に追われている(写真はイメージ) ©iStock

 別の署の捜査幹部も「署に持ち込まれるわいせつ事件の相談件数が増えている」と打ち明ける。

ADVERTISEMENT

「4月下旬のある日の午後、住宅街の交通量の多い通りで帰宅途中の女子高生が突然、若い男に抱きつかれた。女子高生が悲鳴を上げたため、男はそのまま逃走した。いままさに捜査中だ。こうした事件は通常、夜間の人目に付かない場所を選んで起こる。それが今回の事件は白昼堂々、人目の多いところで起きた。そんなイレギュラーなケースがたびたびあると、コロナの影響も考えなくてはいけない」

 前出のベテラン刑事は、「普段、通勤の満員電車で毎朝のように女性に対して痴漢をしているほか、駅などの公共施設のエスカレーターで女子高生のスカートの中をスマホで盗撮しているような、わいせつ事件の常連のような連中の犯行なのかもしれない」と、外出自粛が続く影響ではないかと懸念する。

 警察署の現場に広がるコロナ禍の影。一日も早い収束を祈るしかない。

(【後編】「外出自粛でもなぜ渋滞が起きているのか?《警察も想定外の大クレーム発生》」に続く)

コロナ禍で多発する「わいせつ事件」「給付金詐欺」卑劣な手口《ベテラン刑事が解説》

X(旧Twitter)をフォローして最新記事をいち早く読もう

文春オンラインをフォロー