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『SMAP×SMAP』でADからディレクターへ

――そしてその後は『SMAP×SMAP』(以下『スマスマ』)へ。

名城 『いいとも』で2年間ADをやらせてもらった後に、異動になりまして。その後2年半ぐらいADをしていましたね。そこからディレクターとして木村拓哉さんと一緒に「ホストマンブルース」(※木村拓哉扮するNo.1ホスト・ヒカルと、稲垣吾郎扮するNo.2ホスト・優雅のストーリー)とかを作っていました。あと、これは思い出しても笑っちゃうくらいおかしな企画なんですけど、当時人気だった「あいのり」のパロディー「くいのり」。動物たちがラブワゴンに乗って恋愛するんですけど、木村さん演じるライオンが結局のところ、草食動物を食べてしまうっていうコントコーナーもありましたね。

――名城さんが木村さん担当のディレクターになったのは、木村さんからのオファーだったと聞きました。すごいですよね。

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名城 いや、ありがとうございます(笑)。確かに木村さんが僕をディレクターにしてくれたのは間違いないんですが、そのきっかけは本当にいま思い出しても震えが止まらないほど怖い話で……。

 

キムタクに「僕は納得できません」と啖呵を切る事件

――怖い話?

名城 僕がまだADだったときに、当時高校生だったプロゴルファーの宮里藍さんと木村さんがゴルフ勝負することになったんです。僕も撮影に参加していたんですが、木村さんが途中から本気で勝負しだしたんです。相手はプロゴルファーとは言え、まだ高校生なんですよ? なのに木村さんは良いショットが出ると「イエーイ!」ってすごく喜んでいて。

 その姿を見ていて、「なんて大人気ないんだ」と、無性に腹が立ってしまったんです。それで、木村さんが楽屋に休憩で戻ってきた時に言っちゃったんですよね。「木村さん。勝とうとしていませんか? 僕は納得できません」と。

――ずいぶん命知らずな……。

名城 いや本当生意気なADですよね。今となれば、真剣にお二人が勝負するからこそ、『スマスマ』でしか撮れない映像になる、というのは理解できるんですが……当たり前ですけど、その後にプロデューサーからめちゃくちゃ怒られて「お前ごときが何言ってんだ」と言われました。同僚にも散々説教されて、すごく落ち込みました。

 

 そしたら、2週間後ぐらいに木村さんが「あいつとやりたい」と言ってくれて、それをきっかけにその後ディレクターにさせてもらいました。