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木村拓哉に「納得できません」と物申したADが有田哲平と『脱力タイムズ』を作るまで――2019年 BEST5

『全力!脱力タイムズ』制作総監督・名城ラリータさんインタビュー #2

過去に文春オンラインで反響の大きかった記事ベスト5を発表します。インタビュー部門の第3位は、こちら!(初公開日 2019年12月20日)。

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 アンタッチャブルの10年ぶり復活も話題になった『全力!脱力タイムズ』。この番組を立ち上げ、制作総監督を務める名城ラリータさんは、これまでに『笑っていいとも!』『SMAP×SMAP』などの人気番組にも携わってきました。

 『全力!脱力タイムズ』の立ち上げを聞くなかで見えてきた、テレビマン人生における名城さんの仰天エピソードをお聞きしました。(全2回の2回目/#1より続く)

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『全力!脱力タイムズ』製作総監督・名城ラリータさん

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「『笑っていいとも!』はディレクターたちの源泉でした」

――名城さんは最初からバラエティ志望だったんですか?

名城 いや、じつは違うんです。ドラマが作りたくてこの業界に入りました。だけど最初にADとして配属されたのがバラエティ番組で。今はなき『笑っていいとも!』(以下『いいとも』)。そこでバラエティ番組の凄さを感じて。それからはずっとバラエティ番組一筋です。

――以前、文春オンラインに登場いただいた片岡飛鳥さんも『いいとも』スタッフを経て、『めちゃ×2イケてるッ!』を作っていますよね。他にも多くの人気バラエティ番組を立ち上げた敏腕スタッフはみなさん『いいとも』出身です。

名城 まさにバラエティディレクターたちの源泉でした。『いいとも』って生放送ならではの、自由度が高い番組でもあって、「来週の水曜、この8分間埋まんねぇな」みたいなことを話して、「これどう?」「やってみましょう」ってすぐ企画が実現しちゃう番組だったんです。

 僕も、番組制作の基礎から企画をすぐ形にする瞬発力まで勉強させてもらいました。いま、テレビ業界にいる新人にそういう環境がないのは勿体ないですよね。

 

――名城さんはその後ディレクターとしても『いいとも』に携わっていますよね。

名城 水曜日の担当でしたね。僕がディレクターをしていた時の水曜レギュラー陣は、爆笑問題さん、おすぎとピーコさん、DAIGOさん、千原ジュニアさん、マリエさんっていうカオスなメンバー(笑)。すごく賑やかで楽しい現場でした。

 僕は日本大学芸術学部の出身で、大学時代から番組作りを勉強していたんです。だから、なんとなく「番組作り」っていうものを知っている気になっていたんです。だけど実際に『いいとも』に参加したら何もかも新鮮で楽しくて仕方なかったんです。特にタモリさんには色々教えてもらいました。