5月25日に行われた12球団代表者会議で、6月19日のペナントレース開幕が正式決定。歩調を合わせて、各球団も全体練習を再開し、ハイペースで調整を進めているようで、まずはプロ野球開幕決定に安堵している人も多いのではないでしょうか。

 しかし同時に、残念なニュースも報じられています。5月24日にソフトバンクの森ヘッドコーチが取材に応え、怪我の療養でキューバに帰国しているデスパイネとグラシアルの両選手に関して「けが自体は回復しているものの、出国も入国もできないような状態が続いている。どう考えても間に合わない。普通に考えたら2人は戦力には入っていない」と断言。必ずしも全球団が公平な状態で開幕を迎えられるわけではないようです。

 これはライデル・マルティネスを始め、数名のキューバ人選手・コーチが所属している中日も対岸の火事ではないでしょう。今年開催されるはずだった東京五輪予選のために、キューバ代表のライデル・マルティネスとヤリエル・ロドリゲス両投手は3月中旬まで日本を離れていました。まだ育成契約のヤリエルはともかく、貴重なブルペンの戦力であるライデルが来日不可能のまま開幕していたかと思うとゾッとします。しかしキューバ 、一体国内はどうなっているのでしょうか?新型コロナウイルスの情報はともかく、野球選手達がどうしているかまではほとんど情報が出ていません。

ADVERTISEMENT

 と思っていたら文春野球Cリーグ、対戦相手はソフトバンクということで、この方にキューバの話を聞いてみました。またも“謎のキューバ美女”カミーラ・バリャダレス・クラビホさん登場です。中日ドラゴンズ所属アリエル・マルティネスの婚約者であるカミーラは、これまで二度文春野球に降臨し、アリエルと中日ドラゴンズへの深い愛を語りつくしてくれました。詳細は以前寄稿したインタビューに譲りますが、カミーラは母国キューバでモデル兼医学生としてドクターを目指していた過去の持ち主。コロナ禍のキューバ事情を聞くにはうってつけの人材です。(注:現在はキューバで医者より稼げる観光業の勉強中)せっかくなので、中日だけでなくソフトバンクに所属するキューバ人選手達に関しても話を聞きました。

カミーラ・バリャダレス・クラビホさん

美人妻カミーラが語る新型コロナウイルスの影響

――カミーラ、お久しぶりです! いかがお過ごしですか?

「こちらこそ、皆さんお久しぶりです。お元気でしたか? またこうやって皆さんにお話しする機会をいただけて、とても光栄です」

――アリエルからも聞いていると思いますが、6月19日にプロ野球が開幕することになりました。同時に、ソフトバンクのデスパイネ・グラシアル両選手がキューバを出国できない状態にあることがわかり、キューバ人選手の動向も注目されています。まず、キューバ国内で新型コロナウイルスはどの程度の流行を見せているのでしょうか?

「キューバの人口は2017年現在1148万人です。2週間前のデータで、キューバ国内では1941件の感染例が報告されています。82名が亡くなっていますが、総退院数は1689件。これは比較的抑えられている方だと思いますし、病床数やドクターの数も十分確保できています。ただ、私とアリエルの故郷マタンサスが国内で最も深刻な流行地になってしまっています。幸い、今のところ私とアリエルの家族や友人に感染者はいませんが、キューバ国内でも地域によってかなり感染者数のバラツキがありますね」

――公共交通機関や外出制限はどうなっていますか?

「まず、学校や大学は今年の9月まで再開されません。これは確定です。公共交通機関や空港も、今はその機能を完全にストップしていて、再開の目処は全く立っていません。当然出入国制限もかかっています。もしかしたら、学校や大学と同じ9月には再開するかもしれませんが、それもわかりません。待つしかない、というのが答えです。そして、外出制限ですが、先述の通り感染の流行自体が地域によって様々です。それでも、既に健康な人が感染しないよう、国全体に厳しい外出制限を設けています。いまだに必要最小限の外出しか許されていません」

 

――では、デスパイネやグラシアルを始め、キューバ国内でスポーツ選手はほとんど練習できていない、ということですね。

「そのとおりです。私も彼らのことは知っていますが、おそらく家の中で簡易的なコンディショントレーニングしか出来ていないと思います。アリエルだけでなく、ライデルやヤリエルにとっても、名古屋で練習できたことは非常にラッキーでした。中日のキューバ人選手達は、シーズンの大きな力になってくれると思いますよ」