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幕末、終戦、コロナ……新しい時代が来ている

 そしてそこにはおそらく、新たな意識変革が必要となるだろう。

「少し前までは、みなさん一生懸命、このあいだまでの時代に戻そう、と考えていたところがありましたよね。でもそうじゃなくて、新しい時代が来ている、と思っています。大げさかもしれませんが、幕末、終戦、コロナというか、それぐらい新しくて大きな変化の時代が、われわれ人類に訪れている。演芸の世界でも、そんなことを感じるんです。

 ちっぽけなことなんですけど、ステイホームでずっと家にいると、いろんな発見があるんです。出かけないから何が起きたかというと、タバコの本数が減ったんです。家ではお酒飲まないのと、高座がなくて緊張する場面も減ってるからタバコも減ったんでしょうね。だから、灰皿を捨てるペースがいつもよりうんと早い。ああ、俺、外でたくさん吸ってたんだなあ、と。ほんと、どうでもいいことなんだけど、僕にとってはへえ、こんなコト起きるんだ、という面白い発見だったりしたんです。そんなちっちゃいことを発見しただけでも気持ちが新鮮になる。

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 だから暮らしって、どんな事が起きても、その変化を面白がることができるんだな、と思ったら、少し気が楽になりました」

 新しい生活様式の中で、落語家の仕事のあり方も変わっていくのだろうか。

「変わっていかなきゃいけない部分もあれば、歯を食いしばって変えないぞ、という作業も必要でしょうね。たとえばウチの師匠(柳家さん喬)がこの5月、オンライン落語をやっているのを楽屋で見ていたら、まったく何にも変えずいつもと同じようにやっていて、ああやっぱりウチの師匠、すげえんだな、と思いました。三味線の柳家小菊姉さんも粋曲を演ったときに、「お客様がいない、配信っていうんですか、ふんっ、やりにくいわね」の「ふんっ」という一言がすごい色っぽくて粋だったりして。こういうのは変えちゃいけないな、と思います。

 オンライン落語会は、これからも機会があれば定期的に行っていきます。ここで初めて落語に触れたお客さんが、いつの日か寄席にも足を運んでくださるでしょうしね。そういう時代が、もう一つ先にきっと待っている。そんな気がしているんです」

 6月6日(土曜)7日(日曜)には再び文春落語オンラインの高座に上がる。週末は家にいながらオンライン落語、そんな新しい日常にひたってみてはいかがだろうか。

《公演概要》

◆文春落語オンライン「柳家喬太郎独演会vol.2」
・開催日時:6月6日(土)14時~オンラインライブ配信(1時間半ほどを予定)
・視聴用URLはお申込みの方に別途メールにてお送りいたします。
・出演者:  柳家喬太郎  
・料金:ライブ配信チケット(アーカイブ視聴権付き)1,100円(税込)

・チケット購入Peatix https://bunshunrakugo5.peatix.com          

◆文春落語オンライン 柳家喬太郎落語会「落語のらりくらりvol.2」
・開催日時:6月7日(日)14時~オンラインライブ配信(1時間半ほどを予定)
・視聴用URLはお申込みの方に別途メールにてお送りいたします。
・出演者:  柳家喬太郎、林家二楽(紙切り)      
・料金:ライブ配信チケット(アーカイブ視聴権付き)1,100円

・チケット購入Peatix  https://bunshunrakugo6.peatix.com

*ライブ配信券購入者にも期間限定(後日配信)のアーカイブ配信をご用意いたします。
・問合せ先: info@bunshunrakugo.com  (文春落語事務局)