「松山ケンイチくんの活躍は一番想像してなかったですね。当時、僕は彼とはあんまり喋っていなくて、一方的にすごくおとなしい人なのかな……ぐらいの印象しか持ってなかったんです。でもその後に別の作品で共演して、彼のお芝居の素晴らしさに本当に度肝を抜かれました。こんなすごい演技する人だったんだって。今思うと、内に秘めてた才能があったんだなって思いますね。
『おっさんずラブ』でブレイクした田中圭くんは第10話で共演しましたね。彼は優秀な高校の生徒役で。撮影中よりも作品が終わってしばらくして、また別の作品で一緒になった時に『お久しぶりです。「ごくせん」ではお世話になりました!!』と挨拶してくれたことが印象深いです。
あと、これは第1シリーズのメンバーじゃないんですが、第2シリーズに出演していた小池徹平くんはすごくよく覚えています。というのも、最初の顔合わせの時に、あの可愛らしい顔で『ヤンキーってどうやって演じたらいいんですか?』って聞きに来たんですよね。そんなこともありました。懐かしい(笑)」
――今回の再放送では放送予定がありませんが、最終回から半年後に放送されたスペシャルでの卒業式のシーンがやっぱり印象深いです。出演者の皆さんにとってもそうじゃないかなと。
「そうですね。卒業式のシーンは第1シリーズのメンバーで臨む最後の撮影だったんですけど、潤くん演じる沢田慎の答辞からヤンクミの最後の言葉まで、本当の卒業式を迎えているような感覚で。撮影のためにリハーサルもするんですけど、『ずっと聞いていたいな』ってくらい名残惜しい時間でした。撮影中にすでに涙流している奴もいましたけど、みんな『OK!』でカメラが止まった瞬間に号泣してましたね。
僕は全シリーズ出演させてもらっていますが、この感覚は他のシリーズでは全くなくて。やっぱり3年D組の生徒として過ごした時間が本当に貴重で、大切なものだったんだなとすごく思います」
長く愛されてきたドラマ『ごくせん』という作品の始まり
――今回、18年ぶりに、当時の放送枠と同じ水曜の夜10時からの放送が決定ということで、SNSでは「待ってました!」「神編成!」という喜びの声がたくさんありました。
「もう18年前になるんですね……。放送から長い期間を経ても視聴者の皆さんに、こうして愛していただいて本当に感謝しかないです。実は、僕もあれから18年経って、2人の子供がいます。初めて子供たちに大切な作品でもある『ごくせん』をちゃんとテレビで観てもらえることがすごく嬉しいんです。
第1シリーズは長く愛されてきた『ごくせん』という作品の始まりでもあり、原作の漫画を一番忠実に描いた作品です。一度見たことがある方も、第2シリーズ以降を見たけど第1シリーズはまだという方もぜひおうちで楽しく見てもらえると嬉しいです」