気になるのは、現在、無料のキャンペーンを展開する楽天モバイルに対して、着実に包囲網が敷かれつつあることだ。
KDDIの格安スマホMVNOであるUQモバイルは楽天モバイル対抗の新料金プランを新設。月額2980円という楽天モバイルと同じ値付けでありながら、月間10GBのデータ容量が使え、容量を使い切っても1Mbpsでの通信が可能だ。
楽天モバイルの場合、「データ容量が使い放題」と言っても、楽天モバイルが自ら敷設した基地局で通信した場合のみであり、郊外や地下街、地下鉄などではパートナーであるKDDIのネットワークに繋がるようになっている。KDDIに繋がった際には月間5GBまでは無料だが、それ以上、使う場合は1Mbpsに速度が落ちる。あるいは1GB500円の追加料金を支払う必要があるのだ。
UQモバイルとしては「うちは全国で10GB使える」とアピールすることで楽天モバイルに対抗する構えだ。
さらに、ソフトバンクのサブブランドであるワイモバイルもUQモバイルと楽天モバイル対抗のプランを7月より始める。こちらも月額2980円で月間10GB、超過時は1Mbpsの速度となる。
KDDIとソフトバンクは、本丸であるauやソフトバンクブランドでは楽天モバイルに対抗せず、格安スマホブランドであるUQモバイルやワイモバイルで戦わせるつもりだ。
楽天の未来は9月に決まる?
今回、料金改定を行ったUQモバイルとワイモバイルには「iPhone」という武器が存在する。
「iPhoneを格安スマホで使う」となれば、自ずとUQモバイルかワイモバイルが選ばれる傾向が強い。
楽天モバイルにはRakuten Miniがあるものの、さすがのiPhoneには全く歯が立たない。
例年、アップルは9月にiPhoneの新製品を発表する。このタイミングで楽天モバイルがiPhoneを扱うことが、年内300万契約の獲得、さらには損益分岐点の700万契約突破の必須条件となるだろう。