「雅子と愛子に対する信頼と尊敬・尊重の気持ち」
愛子さまが学習院女子中等科3年生の秋頃から、体調不良を理由に学校を長期欠席された時も、陛下は「一時期体調を崩したこともあり、皆様に御心配をお掛けいたしましたが、雅子の支えもあり、今はふだんどおり学校生活に戻っております」(2017年2月の誕生日会見)と仰って、あくまでも愛子さまを見守るご姿勢を貫かれた。
2年前、ご結婚満25年に際しての文書回答で、陛下は「これまで私自身が様々な務めを果たす中で、家族の支えと協力がとても重要な要素であったと強く感じます。これまで公私に渡り自分を支えてくれた家族に改めて感謝するとともに、私自身も雅子と愛子に対する信頼と尊敬・尊重の気持ちを大事にしていきたいと思っています」と述べられた。
即位が近づくにつれて、国民の中からもこうした陛下のご姿勢や家族像に共感する人が次第に増えていったのではないだろうか。例えば2018年の長野でのご静養の際に、ご一家でワインレッドやラベンダーなど、洋服の色合いをあわせていらっしゃるときがあり、ご家族でコミュケーションをとられているご様子がより具体的にうかがえた。
ある関係者によると、「レセプションの場から招待客をご一家が揃ってお見送りされる時、挨拶をされる愛子さまのことを両陛下がほほえましくご覧になっていて、その優しいまなざしからも良好な親子関係が伝わってきた」という。
「人格否定発言」から15年後の会見
陛下は昨年の誕生日会見で、雅子さまのご活躍を期待される分野として「雅子自身もいろいろ海外での経験もありますし、このグローバル化の時代にあって、国際的な取組など本人だからできるような取組というのが、今後出てくると思います。(中略)何かいい取組に将来出会うことができれば、私も大変うれしく思います」と述べられた。陛下が雅子さまの「国際的な取組」に言及されるまで、「人格否定発言」から15年もの月日が流れた。
エリザベス女王からの招待を受けて、5月初めから1週間程度の日程を軸に調整されていたというイギリスへの公式訪問は、新型コロナウイルスの感染拡大の状況を踏まえ、当面の延期が決まっている。いつの日か、両陛下揃っての外国ご訪問が実現することを期待したい。