5月29日、小池百合子都知事は記者会見で、東京都における施設別の休止要請を6月1日に「ステップ2」に移行することを発表した。これにより、映画館、屋内運動施設、百貨店などの商業施設の営業が解禁され、飲食店の営業は午後8時から午後10時まで延長されている。
クラブ・スナック・バー等は、引き続き休止要請の対象だ。接待を伴わないスナック・バーについては次のステップ3で解禁するが、接待を伴うクラブやスナック、バーは「対応を検討」として解禁の目処は立っていない。
しかし東京・銀座のスナックやバーは今回のステップ2移行を機に再開し、飲食店に合わせて午後10時まで営業する店が増えてきたという。
「小池さんはカッコいいこと言ったのに……」
「今も休業要請の対象だと認識していますが、都の休業協力金給付の対象期間が5月末までなのです。だから6月1日に再開したお店が多いようです」
(再開したバーの50代前半の男性店主)
銀座のスナック「N」(仮名)も6月1日に再開した。雑居ビル3階の10坪弱の店で開業して30年。休業前はアルバイトの女性が1人、2人いたが、再開後は女性店主1人で営業している。
「カウンターの中に私1人。ドアを開けているし、お客さんの間隔を開ければ3密も防げる。カウンター越しに話すお寿司屋さんと、どこが違うのでしょう? しかし“自粛警察”が怖くて、表に看板は出していません。周りのお店も自粛警察を怖がっています」(50代後半の女性店主)
小池都知事への不満もある。
「小池さんは『国が出さないのなら東京都が出す』とカッコいいことを言って休業協力金を決めたのに、いまだに入金されていないのです。周りのお店に聞いても、誰にも入っていません」
東京都の要請に応じて休業または時短営業した事業者に50万円給付する「感染拡大防止協力金」(2事業所以上は100万円)。全国の自治体に先駆けて立ち上げ、4月22日に申請受付を始めたが、1カ月半が過ぎても未給付の店が多いという。