業界最大手の芸能プロダクション「株式会社ワタナベエンターテインメント」。その常務取締役である大澤剛氏(47)が、自身がプロデュースした若手男性アイドルに対し、約1年間にわたって、卑劣極まりないわいせつ行為を含むセクシャルハラスメントに及んでいた。
大澤氏は既婚者だ。被害者のA氏(20代)が「文春オンライン」特集班記者の直撃取材に真相を語った。(#2より続く)
若手アイドルの裸を撮影、性的関係を持った
2018年冬から2019年初頭にかけて、A氏は所属するアイドルグループを脱退すべきかどうか懊悩していた。その際、大澤氏はA氏の相談相手を買って出た。だが、大澤氏はA氏を性行為の対象として扱い、セクハラにあたる内容のLINEを繰り返し送っていた。新人アイドルであるA氏にとってプロデューサーの大澤氏は絶対的な存在だった。LINEのやり取りでは好意的なニュアンスの返信をしていたが、A氏は内心、大澤氏に怯えていた。
前稿#2の通り、2019年2月28日、A氏は大澤氏の別宅マンションに招かれ、プロデューサーと新人タレントという力関係の中で、大澤氏に抗いきれず、性的関係を持つに至った。その際、大澤氏はA氏に目隠しをさせ、裸の画像を撮影。別れた直後、卑猥な言葉とともに、A氏にその画像を送りつけてきた。
A氏はその画像を見て青ざめた。何かあればこの画像を使って脅される、リベンジポルノのネタにされると考え、自分のしてしまったことを悔いた。翌日、A氏は友人にLINEを送った。
《目隠しプレイされたし ハメ撮りされたし まじ狂ってる!!!》(2019年3月1日、A氏から友人へのLINE)
性的関係の3カ月後、ギャラが17万円もアップ
A氏の告白は続く。
「写真を撮られたのがあまりにも嫌だったからすぐに友達に報告しました。ですが、大澤さんには逆らえない。朝方、大澤さんから『今日から俺の彼女ってこと?』とLINEで聞かれ、イヤだと言えなかった。そこからミルクやバナナの絵文字を隠語にして、ベッドの写真とともに『Aのミルクいっぱい出たね』『次 Aにゴックンだね』といった卑猥な言葉のLINEが頻繁に送られてきました。本当に気持ちが悪かった」
A氏は大澤氏に愛想よく返信を続けるしかなかった。すると、思わぬ形でその“成果”が出ることになった。
「とにかく大澤さんの機嫌を損ねないようにしていました。こうした頑張りの成果か、5月に事務所で給料の相談をするとすぐに上げて貰えたのです。長い期間、月13万円だったのが、いきなり約17万円プラスになり、計30万円になった。ただ、17万円の振り込み元は事務所(ワタナベエンターテインメント)ではなく、なぜか大澤さんの個人会社『YESMAN』からでした」