新型コロナで音楽フェスが苦境に

新型コロナウイルスの影響で、音楽業界が苦境に立たされている。各地の音楽イベントは次々と中止・延期になり、閉店や事業縮小に追い込まれるライブハウスも見られるようになった。

こうした流れは、夏の音楽フェスティバルにまで及んでいる。

「フジロック・フェスティバル」「ライジングサン・ロック・フェスティバル」「ロック・イン・ジャパン・フェスティバル」「サマーソニック」。日本では例年、これら4つの大型音楽フェスティバルが夏に開かれ、風物詩となってきた。

世間では「夏の4大フェス」とも呼ばれているが、その一角である「フジロック・フェスティバル」が6月5日、今年の開催を2021年8月に延期すると発表した。

 

当初は8月21~23日に新潟県で開催する予定だったことから、今年は事実上の中止とも言える。理由はやはり新型コロナウイルスの影響で、事務局はこのように説明している。

「緊急事態宣言が解除されてもなお世界的に収束の目処は立っておらず、現時点において日本への入国拒否対象地域の拡大など、厳しい制限措置は未だに解除されていません。そして、何よりも人々の健康と安全、私たちの生命を脅かすこの危機的な状況を無視することは出来ません」
(※公式ウェブサイトより一部抜粋)

現状の新型コロナ感染予防策を考えると、音楽フェスは開催に踏み切りにくいところがあるのだろう。ファンは演奏を近くで聞こうと密集する可能性があり、歌詞を口ずさめば飛沫感染の恐れもある。そして、夏の炎天下だと、感染予防としてのマスク着用が熱中症を招きかねないという懸念も考えられる。

観客の密集を避けるのは難しいと思われる(画像はイメージ)

苦渋の決断で開催を断念したと思われるが、それでは、フジロック以外の夏の4大フェスの動向はどうなっているのだろうか。それぞれの事務局に聞いた。

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ライジングサンは2021年開催を目指す

北海道で8月14、15日に開催予定だった「ライジングサン・ロック・フェスティバル」は既に開催中止を決定している。2021年の開催を目標としていて、2020年のチケットについては払い戻しのほか、2021年分のチケットへの振り替えにも応じている。