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「中国が台頭して、競争に負ける」とはこういうことだ

酷いんだけど、それが経済なんですよ

2017/08/24
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日本株式会社のトップセールスマンとして頑張ってるのが安倍首相

 まあ、汚いよな。ずるいよな。酷いんだけど、それが経済なんですよ。自動車メーカーに取引停止をちらつかされて泣きながら社員と残業して工場をフル回転させる下請け会社同様に、みんな食べていかなければいけないから経済力のある方向に寄っていくのです。民主主義で腹が膨れますか。人権で家族が養えますか。豊かで良い人生を送るには、主義主張のようなものでつまらない喧嘩を売るよりは、自分を曲げて愛想笑いをしてでもカネを持ってる人の靴を舐められるのが「有能」で「優秀」な人物だということになります。

 その意味で、安倍晋三さんってのは「有能」で「優秀」な部分はあると思うんですよ。嫁選びで味噌つけたし、ちょっと調子乗ってしまったけど。だって満面の笑顔であのトランプ大統領と握手できる人ですよ。やれって言われたってできない。以前、文春オンラインでも書きましたけど、日本株式会社のトップセールスマンとして頑張ってるのが安倍首相なんだと思うんですよね。

©getty

中国バブル崩壊しないかなって祈る人も多いのかもしれないですけど

 でも、成長著しい中国が隣国にあり、はるか大国になっていく中で、人口減少に喘ぎ国力の低下が覆い隠しようもない日本が、どこまで中国に対して突っ張っていけるのかというのは悩ましいものはある。米中対立のなかで民主主義国の一員としての日本が、アジアの中の非中華圏としてどこまでアメリカと肩を並べて民主主義だ人権だと綺麗事を言い続けられるのか、ドキドキするんすよねえ。私は民主主義を堅持するべきだよねと思う側です、だって言いたいことは言いたいもの。でも、近い将来日本が「貧しい民主主義か、豊かなご都合主義かを選択しろ」と言われたら、豊かな生活を望む国民が増えるかもしれないよなあ、という気持ちもしないでもないから怖いんですよね。

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 中国バブル崩壊しないかなって祈る人も多いのかもしれないですけど。なんというか、全部他力本願っすよね。

 なるほど、冷戦ってこういうことなのね。

「中国が台頭して、競争に負ける」とはこういうことだ

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