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Z指定ってなに? 「百合」要素も……

 ラスアスとラスアス2は、ゲームの表現内容を審査する「CEROレーティング」で、最も厳しい「Z指定(18歳以上対象)」となります。確かに、内容的にもとても子供の前では遊べません。

 ただこれは、同作が徹底したリアルを追求したからこそでしょう。「ゲームに必要」と判断し、暴力表現までも綿密に描いているからです。敵(人間)や感染者を殺すとき、首筋にナイフを立て、鮮血が飛び散ります。正義や倫理が通用しない世界ですし、極限の世界を生き抜いていることを描くには、この過激な描写は意味があると言えます。

 ちなみに、ラスアス2では、動画でも公開されている通り、女性同士の恋も生々しく描かれています。それゆえに見える物語、感情の揺さぶり、コメディーもあります。この手の表現は、日本では避けられるだけに、そこに踏み込む点が興味深いところです。

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(C)2020 Sony Interactive Entertainment LLC. Created and developed by Naughty Dog, LLC.

 なお「ラスアス2」は単体でも楽しめます。ただし前作の「ラスアス」をプレーすれば、物語の深み、復讐への気持ちが段違いに高まります。そういう意味では、シリーズ未体験の人は、新作は放っておき、お値段のお手頃な「ラスアス」をプレーするのも手です。

「傑作の続きを描く」決断に敬意

 それにしても、これだけの完成度、世界の実績を誇るにもかかわらず、日本では「それなり」にとどまっているのが不思議でもあります。とはいえ日本は、アニメなどを含めた邦画が強いのは確かですし、人気劇場版アニメが、映画「アベンジャーズ」に興行成績で勝つ、不思議な国でもあります。

 いずれにしても、傑作の続編を作るという決断は、クリエーターを苦しめます。前作をなぞりすぎても、新規性を求めすぎても、いずれも批判されてしまいますから、ビジネス以外に得なことはないのです。そうやって評価を落としたゲームは少なくないわけですが……。

 それでも「傑作の続きを描く」と決断し、19歳に成長したエリーの物語を見せてくれたクリエーターの勇気には敬意を表したいところです。そして、ラスアス2が世界中でどこまでヒットし、日本でもどんな結果を残すか。気になって仕方ありません。

(C)2020 Sony Interactive Entertainment LLC. Created and developed by Naughty Dog, LLC.