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2020/06/24

「そもそも論で、何かしらの電子申請をされた経験はありますか」

 さらに、何よりショックなのが、この給付金制度を取り仕切る内閣官房トップの菅義偉官房長官、総務省トップの高市総務相がマイナポータルをこれまで使用していなかったという事実である。5月20日の衆議院内閣委員会(http://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_kaigiroku.nsf/html/kaigiroku/000220120200520012.htm)では、以下のような答弁があった。

立憲民主党の中谷一馬議員

中谷委員 まず、そもそも論で、私、菅長官、西村大臣、高市大臣のお三方に伺いたいんですけれども、マイナンバーカードを使って、このマイナポータルで、給付金でなくてもいいです、何かしらの電子申請をされた経験はありますか。エピソードなどがあれば教えてください。

 高市国務大臣 ございません。

 西村国務大臣 私は、毎年確定申告を、e-Taxをマイナンバーカードを使って行っております。

 菅国務大臣 私はありません〉

かつて総務大臣を務めていた菅義偉官房長官 ©時事通信社

自分たちが生み出した制度に対する当事者意識の欠如

 筆者は現代ビジネスで5月7日に配信された「10万円給付『ネット申請にマイナンバーカードが必須』の意味不明」で、高市氏の前任の石田真敏衆議院議員をはじめ、当時の総務副大臣、政務官の政権担当者全員がマイナポータルでの申請を利用したことがなかったとする2019年2月の総務委員会の議事録を紹介した(https://kokkai.ndl.go.jp/#/detail?minId=119804601X00320190219&spkNum=50)。

 高市氏だけでなく、総務大臣経験者の菅官房長官もマイナポータルを使用していなかった現状に対してはっきりといえば、自分たちが生み出した制度に対する当事者意識がまったく欠如しており、マイナンバー制度自体が失策だったと認めているようなものだ。政府は制度を普及させようと、コロナ禍前に成立した今年度の予算で2458億円を投じ、買い物などで利用できる「マイナポイント」のキャンペーンを9月から実施しようとしている。しかし、これほど使い勝手が悪いポイント制度を今更利用しようとするのは、ポイントにめざとい消費者くらいで、焼け石に水だ。