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「マイナポータル」からの離脱率は極めて高い

「結局のところ、1カ月以上かかってもカードができていないのか、給付金以外にオンライン申請でカードを使う用途が思い浮かばず『二度と使わないから郵送で』となっているのが実情だと推察します。

 オンライン申請はカードを入手してもマイナポータルというサイトにアクセスし、専用アプリをダウンロードしなければならないのですが、非常に複雑。私も実際にやってみたのですが、1日目はシステムエラーが連発しまして断念し、次の日にようやくできました。私は修士号をデジタル関係で取得し、IT企業の役員を務めた経験がありましたので、ネット上の手続きには慣れている方だと自負をしていたのですが、この使い勝手の悪さでは国民に普及することはなかなか難しい。高齢者などデジタルネイティブでない人には厳しい仕組みと感じました。

2016年から交付が開始されているマイナンバーカード(総務省サイトより)

 マイナポータルのサイトは本当に使い勝手が悪い。今回の給付金以前からも、2017年11月から20年3月現在までの連絡先入力画面のアクセス件数と電子申請ができた件数を比較して、サイトからの離脱率を計算すると、その率は極めて高い。アクセス件数13万9855件に対して申請件数が2万2386件であり、申請を完了させた方はわずか平均16%しかいなかったのです。あまりに使えないので、マイナンバー不要でオンライン申請できる新たなシステムを導入する自治体も出てきているほどです」

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オンライン申請のため役所の多くで「三密」発生

 これだけ使い勝手が悪ければ、今回のコロナ禍のような緊急事態でまともに機能するはずがない。実際、各自治体の窓口にはマイナンバーカードを申請しようとする人や、パスワードロックを解除しようとする人が殺到して、コロナ対策で避けるべき「三密」が全国のいたるところで発生したことは記憶に新しい。さらに、二重給付問題が表面化し、郵送申請においてもマンパワーでのチェックが必要となり、職員が多忙を極め、現場負担の軽減にはほど遠かった。