「特別定額給付金を司る高市早苗総務相が、マイナンバーカードの電子申請システムを使ったことがないと明かしました。にもかかわらず電子申請システムを国民に使えという方がズレています」
立憲民主党の中谷一馬衆議院議員はこう話す。
新型コロナウイルス流行による経済的負担を軽減するため、政府は全国民に一律10万円の給付を決めたが、オンライン申請に必要な「マイナンバーカード」に「使いにくい」「結局申請してから1カ月かかる」などの批判が相次いだ。自治体の中にはオンライン申請を取りやめるところも出てくるなど、混乱の様相を呈している。
マイナンバーカードの普及率はわずか16.8%
念のため、申請方法について確認しておこう。郵送されてきた申請書を市区町村の役所に送る「郵送申請」と、マイナンバー制度を利用してネット上で行う「オンライン申請」の2通りがある。郵送してから振り込みまで2週間以上かかるとされる郵送申請に比べれば、オンライン申請は30分もあれば完了するとの触れ込みで、政府も自治体の負担を減らすため推奨してきた。
しかし、このオンライン申請を行うためには、2015年に全国民に配布された「通知カード」を元にマイナンバーカードを作成する必要がある。中谷氏によると、今年6月1日時点での交付枚数は2135万枚。現在も1億人以上がカードを持っていないという。
マイナンバーカードの作成には申請から概ね1カ月かかると総合サイトに記載されており、今回のように急を要する場合には、ほとんど給付の役に立たなかった。また4月20日にカードシステムの閣議決定をして、10万円を早くもらえる特典をつけたにもかかわらず、5月1日時点の交付枚数2085万枚(16.4%)と6月1日時点の2135万枚(16.8%)を比較すると、増加数はわずか50万枚(+0.4ポイント)。前月比で下回っている。
中谷氏はこう解説する。