言い分はわかったけれど、聞けば聞くほどモヤモヤ感が強くなる。6月23日午後8時から約115分に渡って行われた元NEWS・手越祐也氏の緊急記者会見は、そんな印象だった。
明るくポジティブ、ヤンチャな彼のイメージそのままに、息つく間もないほどの早口で“真実”を語る彼の何がそう感じさせたのか。手越会見を“ちょっとモヤモヤした発言“とともに振り返ってみよう。
その1)「あまりに事実と違う報道が多すぎた」
黒のインナーにネイビーのジャケットというシックな服装で、会場に現れた手越氏。会場一杯に詰めかけたメディアに柔らかい笑みを見せるが、事実と違う報道が多かったと言うだけあって、彼らを見回す視線は鋭く冷やか。「自分の口から早く話したかった」と挨拶を終えると、席に着いて話し始める。
手越祐也チャンネルというYouTubeでの生配信で見やすいようにという配慮からか、バックには黒のカーテン。黒い背景にシックな装い、金髪に染めた手越氏の整った顔が見事に浮かびあがる。さすが、見せ方がうまい。一方で、具体的な話になると歯切れが悪くなっていったのが気になった。
その2)「ジャニーズ事務所との間に大きなトラブルがあったということもありません」
新型コロナウイルスでステイホームが叫ばれていた中、2度の外出をすっぱ抜かれ、事務所から自粛を言い渡されていた後の退所だけに、トラブルがあったのだろうと思うのは当然だが、本人は否定。3月には退所の意向を伝えていたと説明。でも「?」だ。「メンバーとの間にトラブルがあったことは1ミリもございません」ときっぱり否定したのに、事務所との間では「大きなトラブルはなかった」。いったいこの表現の差は何だろう?
案の定、会見中何度も「円満解除、円満退所」を口にしたが、社長である藤島ジュリー景子氏、副社長である滝沢秀明氏との面会は叶わなかったらしい。おまけに事務所側からは「弁護士をつけて欲しい」と。普通に考えると、それはまさに「トラブっている」状態だと思うはずだろう。「今までお世話になった方と絶対に揉めたくない」と、双方の弁護士同士が話し合ったと説明。退所会見には、あのカルロス・ゴーンの弁護団にもいた高野隆弁護士が同席し、用意周到に彼をガード。こんな高名な弁護士がつかないと円満退所できなかったのかと、いらぬ憶測が頭をよぎる。