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 血圧を薬で下げるのはイヤだったので、何か違う方法はないだろうか?と代替医療を探しました。「いい先生がいる」と聞くと、積極的に出かけていった。

 たとえば漢方のお医者さん。

「先生、私はもう疲れました。具合が悪いんです」と訴えると、脈を見て「背骨が曲がってるね。それは直してあげるよ。あとは薬だね」。産後も病院の薬が合わず、「赤ちゃんがいて通えないので、薬だけ送っていただけませんか?」とお願いすると、「写真を送って」と言われ、上半身と全身を送りました。写真を見て送ってくれた薬を飲むと、あら不思議、劇的に良くなりました。

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 別の代替医療の先生には「胃が悪いね」と言われたことがあります。「海外でビールを飲みたいので、鉄の胃にしてください」という願いは叶えてもらえませんでしたが、夜になると目が見えにくくなる鳥目は治していただきました。

 痛風を一発で治してくださった先生もいました。

 しかし、私の主訴「血圧が高い」だけは治らなかった。逆にドンドン上がり、一般の方の2倍近い225まで上昇。頭がドクドクして、下を向いて靴を履くのも大変になってしまいました。

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ついに頭に凄まじい痛みが

 ついに頭に凄まじい痛みが走ったのは、出産から8年を経た2009年11月のこと。私は46歳になっていました。

 自宅でサッカーを見ていたときのことです。Jリーグは11月になると俄然面白くなります。1年かけて優勝、あるいは残留をかけて争うので、一戦一戦が勝負。しかし、この日は私にとっての大勝負になってしまった。

 炬燵でサッカーを見ていると、どうしようもない違和感をおぼえ、炬燵を這い出て、すぐ隣のソファーでうずくまりました。そして頭の中が破裂。

 くも膜下出血はよく、「人生最大の痛み」と言われていますが、痛みの出る確率は10パーセントなんだそうです。私はその10パーセントに入ってしまった。

 出産の3倍くらい痛かった。

 出産の痛みが「鼻からスイカを出す」くらいだとしたら、この時の痛みは「雷で死亡」とか「ショック死」くらい。